雑草・害虫駆除

2023年7月10日付 801号

 

 酒米の田植えをしてからひと月後、2枚の田んぼにコナギが茂っているとの知らせがあった。コナギはミズアオイに似た水生植物で、最初はササのような葉が、次第に丸くなり、ホテイアオイのような青い花を咲かせる。肥料の吸収力が強く、苗の成長を妨げるので早く駆除しないといけない。
 種で増えるので、田んぼに種が落ちていたのだろうが、発生する田としない田とがあり、その違いはよく分からない。観察を怠らず、適切な時期に適切に対処するしかない。
 天地子が両親の農作業を手伝っていたころ、一番苦労だなと思ったのは雑草取り。暑い時期に、とげのついた農具で田んぼを往復し、根こそぎ取っていた。近年は、田植えの後に水を張り、除草剤を散布すれば、雑草の発生を抑えられるようになったので楽になったのだが、雑草もしたたかに生き延びている。
 さらに問題なのは、俗にジャンボタニシと呼ばれているスクミリンゴガイの発生。南米原産で、食用に台湾から持ち込まれたのが野生化し、幼生が苗を食べる食害が広がっている。気が付くと、一つの田んぼは3分の1ほどの苗が消えていて、大小のタニシが無数に繁殖していた。普及センターに相談すると、もう手遅れなので、収穫後、消石灰をまいて駆除することにした。その影響が残るので、裏作の小麦がまけない田が数枚出るだろう。
 牧草から広がったイタリアンなど外来種の雑草もあり、これも国際化の負の側面の一つ。まさに縁は世界につながっていて、そんなところから無限を感じたりもする。

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