賑わう首都圏の初詣
各地ともコロナ禍以前に
神奈川県川崎市の真言宗智山派大本山金剛山金乗院平間寺(川崎大師)では、元日の午前零時からは護摩修行が行われ、今年はコロナ禍以前の水準で多くの参拝客が訪れた。参拝者らは、係員による交通整理が整然となされる中、大山門から境内に入り、 献香所で煙を浴びて身体の痛いところにあて、無病息災を祈った。 その後本尊である厄除け弘法大師が祀られている大本堂で参拝し、厄を払い諸願成就を祈願した。
四国から参拝に訪れたという女性は「もらっているお金は変わらないのに物価だけ上がったので、もっと楽になりたいと思い、家族の幸福と金運上昇を祈った」と述べ、50年近く毎年欠かさず初詣に来ているという男性は、「両親がもう歩けなくなっているので、家族を代表してお参りにきた。家族の無病息災、所願成就をいつも祈願している」と語った。また、ベトナムから来たという男性は「初めてここに来た、素晴らしい所だと思う。家族と仕事のことを祈った」と話していた。
神奈川県川崎市の稲毛神社では、元日には境内の外、道路まで列ができるほど多くの初詣の参拝者で賑わっていた。午後零時に元旦祭が執り行われ、午前2時からは稲毛神社に古くから伝わる古式勝祈祷が厳修された。午前11時には五穀豊穣、氏子・崇敬者の安寧、産業の発展、国家の平安、世界の平和を祈る歳旦祭が斎行された。また、同社では1月1日から7日まで有名人慈善絵馬展が開かれ、画家・書家・芸能人など各界で活躍する人たちの手による絵馬200枚が境内に展示された。希望者は入札することができ、収益金は社会福祉に役立てられる。
参拝にきた若い女性は「自分は学生なので、学校で頑張れるように祈った」と語り、子供連れの夫婦は「家内安全と子供達の健康と将来のために祈った」と話していた。
東京都千代田区の神田神社では、午前0時には歳旦祭が行われ、皇室の弥栄、国家安泰、五穀豊穣、氏子・崇敬者の無病息災・開運招福を祈願した。コロナ禍以前は30万人以上の参拝者が訪れていた同社では、係員、警察官による誘導がなされる中、神社の外まで長い列ができるなど、多くの参拝客が訪れ、コロナ禍以前の水準に戻り、元日らしい賑わいを見せていた。
アメリカから来たという男性は「伝統を感じるとても良い場所だ。家族のことや自分の願いがかなうように祈った」と述べ、また若い男性は「独身なので世界の平和と金運上昇を祈願した」と語った。また、オーストラリアから来たという家族づれは、「観光でこの場所に来たのだが、来てよかったと思っている。境内は綺麗で、清潔だ。そして人々は秩序を保ち、整然としていて、本当に素晴らしい」と話していた。
埼玉県秩父市の秩父今宮神社では、甲辰歳を迎えた正月、各地から多くの初詣客が訪れていた。コロナ明けもあったが、今年は龍神様のご神德に感謝し、世の安寧、家内安全、無病息災を祈願する人々が多かったと思われる。塩谷崇之宮司は「例年に比べたら、元旦はすごい人出でした」と語っていた。
秩父の霊山・武甲山から湧きいずる霊泉に「水神」を祀る古社・秩父今宮神社(塩谷崇之宮司)は、役行者ゆかりの修験の場。霊泉の傍には観音菩薩の守護神が「八大龍王」に合祀されている。境内の中央には樹齢千年を越える欅の古木がそびえる。県の天然記念物に指定されたこの木は「龍神木」と呼ばれ、ここに祀られる龍神の住処として信仰を集めている。