鶴岡八幡宮の季節展「冬」 鎌倉文華館鶴岡ミュージアム
源頼朝寄進の太刀など
2023年12月15日から2024年3月3日まで、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮境内にある鎌倉文華館鶴岡ミュージアムで「鶴岡八幡宮の季節展・冬」が開催されている。
同館では鎌倉をテーマに歴史や文化、今日まで守り育まれてきた豊かな自然などを紹介し、それぞれの社寺や史蹟、文化施設に赴くための情報発信の拠点としての活動を行っている。
同展では、国宝・重要文化財の刀剣の他、源実朝公に焦点をあて、実朝公を描いた絵画や書物が展示されている。国宝『沃懸地杏葉 螺鈿太刀 無銘 甲』(鎌倉時代 刃長74・4センチ 伝 源頼朝寄進 鶴岡八幡宮蔵)は一般に「衛府(えふ)の太刀」という名で知られ、源頼朝公が鶴岡八幡宮に奉納したもの。江戸時代の書物である『集古十種』や『新編相模国風土記稿』などに記載され、「頼朝の帯せし物と云ふ」と伝えられる。
重要文化財『太刀 金象嵌 銘 國吉』(鎌倉時代 刃長69・7センチ 明治天皇御寄進 鶴岡八幡宮蔵)は茎(なかご)部分に「國吉」と金象嵌銘がある。鎌倉初期から中期にわたり、山城粟田口派の刀工が盛名をとどろかせたが、國吉もその一派で、「左兵衛尉」と称した。太刀は明治天皇が鶴岡八幡宮に御寄進されたものである。
『金槐和歌集』(貞享4年=1687 版本 鶴岡八幡宮蔵)は源実朝公の家集(歌集)。実朝公は写実的かつ素朴で力強い万葉調の歌人として有名であるが、所収歌の多くは古今調、新古今調の本歌どりを主にしている。
他にも『美談武者八景 鶴岡の暮雪』(大判三枚続 明治元年=1868 月岡芳年画 鶴岡八幡宮蔵)、『鎌倉右大臣実朝』(平成8年=1996 守屋多々志画 鶴岡八幡宮蔵)など実朝公を描いた作品が紹介されている。
また、日本神話や神奈川県の名所を描いた錦絵「冬」にちなんで、鶴岡八幡宮で執り行われる冬から立春にかけての主な祭りが紹介される。
休館日は月曜日(月曜祝日の場合は翌平日、但し1月9日〈火〉は開館)、12月29日〜1月8日。