世界連邦平和促進全国宗教者・信仰者川崎大会

祈りを通して世界平和実現の道筋を/川崎大師

藤田隆乗川崎大師貫首を大導師に特別大護摩祈願

 11月17日、神奈川県川崎市の真言宗智山派大本山川崎大師平間寺で、第42回世界連邦平和促進全国宗教者・信仰者川崎大会が「世界平和実現のための道筋とは」をテーマに開催された。主催は世界連邦日本宗教委員会。

 最初に、世界平和の祈りとして特別大護摩祈願が、藤田隆乗・川崎大師貫首を大導師に大本堂で執り行われた。大導師が表白を読み上げ、式衆が経を唱える中、世界平和と所願成就を祈願する護摩が焚き上げられ、参列者が真摯な祈りを捧げた。
 次いで、開会式が信徒会館で行われ、導師の一宮良範・念法眞教教務総長の言葉「川崎大会に参加した私たちは、今心を一つにして祈ります」に応え、全員で「世界がほんとうに平和になり、すべての人々が幸せでありますように…」と唱和し、黙祷を捧げた。
 開会の言葉は、前回大会大会長の利根康教・寒川神社宮司が、「前回の神奈川・寒川大会では、日本人が培ってきた和の精神で世界に希望を与え、平和を築いていくことを誓い合った。しかし世界各地で紛争によって多くの命が犠牲になり、地球環境の変動や食糧危機などの問題が山積みである。今日は各宗教・宗派の英知を結集し、平和への道筋を考えたい」と述べた。
 次に今回大会の大会長である藤田隆乗貫首が「この4年間、世界は未曾有の災禍に見舞われ、数多の命が失われた。加えて各地で戦禍が広がり、世相は混迷を極めている。川崎大師の本尊である弘法大師は『鎮護国家』と『済世利人』を誓願された。平和への祈りは変わることなく続いている」と挨拶した。

開会の言葉を述べる利根康教・寒川神社宮司

 大会副実行委員長の黒住宗道・黒住教教主は実行委員長の田中恆清・世界連邦日本宗教委員会会長(石清水八幡宮宮司)の挨拶を代読。「諸宗教間対話と平和への祈りを積み重ねてこられた宗教者・信仰者の皆様が再び川崎大師・平間寺に集い、神道、仏教、キリスト教、新宗教、イスラム教それぞれの知恵を結集され、真の『世界平和』実現への道筋を見出されますよう祈念する」そして、「川崎大師での大会は3度目で、心から感謝する」と述べた。
 来賓の紹介の後、世界連邦運動協会会長の大橋光夫氏が、「人類が殺し合うのは愚かなことだ。地球上のどこに住んでいても同じ血で繋がっている人類は仲良くできるはずだ。地球のため、全人類のために役立つことをするのが私たちの役目である。平和で仲良く生きていけるよう運動を続けていく」と祝辞を述べた。
 続いて、岡部芳彦・神戸学院大学経済学部教授・同大国際交流センター所長が「知られざる日本ウクライナ交流史」と題し講演した。
 閉会式では、同実行委員会の横山照泰監事(元天台宗務庁一遍を照らす運動総本部長)が大会宣言文「これ以上生きとし生ける貴い命が無益に失われることがないよう、全世界の人々に向け平和の大切さを、祈りをもって呼びかけることが必要不可欠であると確信している。今こそ英知を結集し世界平和の道筋をつくろう」(要旨)を読み上げ、満場の拍手で採択された。最後に宍野史生副実行委員長(扶桑教管長)が「平和への強い気持ちを絶やすことなく、持ち続けることが大切だ。明日から祈りを通してこの平和への道筋を歩んでいきたい」と閉会の辞を述べた。
 直会に移り、常任顧問の阿部昌宏天台宗宗務庁宗務総長と監事の鎌田紀彦大宮八幡宮宮司が挨拶した。