靖國神社御創立150年記念大祭
国護る御祭神の御心を次世代に
戸畑祇園東大山笠・小東山笠が奉納運行
東京都千代田区の靖國神社(山口建史宮司)で御創立百五十年記念大祭が斎行され、10月19日には第一日ノ儀が、20日には第二日ノ儀が執り行われた。小雨の10月19日、靖國神社境内には内外から多くの参拝客が訪れた。
御創立百五十年を記念して、御祭神を慰霊し、御祭神の御心を次世代に伝えていく神楽舞「国護の舞」が作られた。作曲・作舞は豊英秋・元宮内庁式部職楽部首席学長、歌詞は上皇后陛下が平成8年の終戦記念日に詠まれた御歌「海陸(うみくが)のいづへを知らず姿なきあまたの御霊国護るらむ」
午後10時、大太鼓が境内に鳴り響き、拝殿で創立百五十年を祝賀する参列者が待つ中、宮司・神職が参進し、本殿所定の座に着いた。国歌斉唱に続いて宮司が本殿内陣の御扉を開き、権宮司以下が神饌を供し、初獻の神酒を奠した。
その後、宮司は神前に進み祝詞を奏上し、英霊に感謝の誠を捧げた。権宮司が二獻の神酒を奠した後、新神楽舞「国護の舞」が奉奏された。権宮司が三獻の神酒を奠し、宮司が玉串を奉って拝礼した。続いて特別参列者及び崇敬者総代が本殿に進み玉串を奉って拝礼した。続いて一般遺族崇敬者が昇殿参拝した。午後3時、神饌が撤せられた後、宮司が御扉を閉じ御百五十年記念大祭・第一日ノ儀は滞りなく修められた。
秋季例大祭、御創立百五十年記念大祭の期間中には境内では献華展や菊花展、能楽堂では各種奉納芸能が行われ、17日から20日にかけて日本古来の芸能等が大勢の参拝者が見守る中、奉納された。また、19日には御創立百五十年記念大祭を祝し、戸畑祇園東大山笠・小東山笠奉納運行が行われ、国内外の参拝者から大きな歓声が上がっていた。
靖國神社御創立五十年特別展
靖國神社の遊就館では昨年から前編・後編に分けて「靖國神社御創立百五十年特別展」を開催している。前編では、18世紀以降、欧米諸国がアジアに進出してきた時代から、明治2年の神社創建までを取り上げ、今年3月16日から12月8日までの後編では創建から今日までの神社史を中心に展示解説している。
後編の特別展は8章、「招魂社の創建」「明治初期─招魂社から靖國神社へ─」「明治期の靖國神社─明治初期から日露戦争まで─」「明治から大正へ─靖國神社の変革期─」「満州事変から支那事変」「大東亜戦争─終戦と神社存亡の危機─」「戦後の靖國神社のあゆみ」「国民の崇敬と靖國神社のこれから」で構成されている。
招魂社の創建に関わる資料の展示では、明治元年6月2日に、江戸城で行われた政府側戦歿者諸霊の慰霊祭が書かれている「西の丸招魂祭役割表」、その祭主を務めた大久保初太郎(後の陸軍大将)の肖像画、招魂社の仮殿と祭礼の錦絵「九段さか牛がふち」(三代広重画)などがある。
他の章では、楊斎延一画「靖國神社 大村大輔之肖像」、小國政画「靖國神社大祭執行 横綱式場ノ図」、武藤嘉亭画「昭和七年春季例大祭の外苑の情景」など、また、明治44年の正遷宮式執行に供えられた「神鏡」や創立百年記念大祭に供えられた短刀「神剣」などの社宝も展示されている。