里山クラブ

2019年11月10日付 757号

 天地子が今春、地域の環境整備のため自治会の比較的アクティブな仲間と立ち上げたのが里山クラブ。10月下旬、小高い山の上にある小学校からよく見える田んぼに、レンゲと菜の花の種をまいた。米の収穫を終えてから、来年5月の田植えまでの活用で、3月から4月の卒業式、入学式のシーズンに花を咲かせ、子供たちの目を楽しませるのが目的。
 並行して、通学路の美化を進めている。アスファルトの道端に生えた草をとり、水路の泥と草も取り除く。農作業のためにはそこまでする必要はないのだが、子供たちの目に触れる環境を、少しでもきれいにしておきたい。
 天地子の集落は、平野の中の独立山のふもとにあり、近年、イノシシの害に悩まされている。イノシシよけのため、山すそにフェンスを張り巡らせているので、定期的に草や竹、雑木刈りなどのメインテナンスもしなければならない。都会暮らしに比べて、地域での暮らしは、やろうと思えば、することに限りがないので面白い。
 いろいろやっていると、「徳は孤ならず必ず隣あり」(論語)で、参加する仲間が増えてくるのもうれしい。子供の頃の共同体のきずなが、少し回復したようにも思える。
 ラグビーワールドカップでの日本代表の活躍で、今年は楽しい秋になった。違うポジションや国籍、民族の選手たちが助け合い、「ワンチーム」で勝利を目指す。隣人のために生きることがそのまま世界の平和につながるような国にしたいと思う。