女体神社の草刈り
2020年8月10日付 766号
炎天下の8月2日、四国八十八か所結願の大窪寺の裏山にある女体(にょたい)神社の草刈りをした。例年なら富士登山の前日なので、富士吉田市の如来寺に泊まっているのだが、今年はコロナで中止になり、数年ぶりに参加。女体山は、香川県さぬき市と東かがわ市にまたがる標高774メートルの山。この山頂に鎮まる女体神社の創建には以下のような話がある。
昔、不義のため京を追われた公家の娘が、瀬戸内海に面した志度の浦で嘆いているのを、通りかかった庄屋が話を聞いて同情し、家に連れ帰り、一生面倒を見た。彼女は、死後もこの地に尽くすと言って亡くなる。庄屋が彼女を近くの青木池に葬り、小さな祠を建てたところ、雨不足の折、村人が祠に集まって祈ると、必ず雨が降るようになった。ところが、青木池に不浄な物が漂着するようになったため、村人が祠を矢筈山の東の峰に移して女体神社として祀り、以来この山を女体山と呼ぶようになる。
水不足に悩まされてきた讃岐ならではの伝承らしい。昔は、祭りの折、女性の神が喜ぶからと、男たちが裸踊りをしたという猥談じみた話もある。
持参したのは、買ったばかりの電動式草刈り機。エンジン式に比べ音が静かで軽いのがいい。バッテリーの持ち時間が1時間半というのも適当。ちょっと高価だが、高齢期の労働を長続きさせるには必要な投資。吹き出た汗を山の冷気で収めて里に下り、仲間が用意してくれた豚汁に舌鼓を打った。