献灯掲げ第77回みたままつり

戦没者慰める光の祭典

仙台七夕が飾られた神門と大型献灯


 靖國神社(大塚海夫宮司、東京・九段)の光の祭典、第77回「みたままつり」が7月13日から16日までの4日間開催された。みたままつりは、境内に数多くの献灯(みあかし)を掲げ、戦没者の「みたま」を慰める夏祭り。昭和21年のお盆に長野県遺族会が境内で盆踊り大会を開催したのがきっかけで、翌22年から始まった。
 外苑参道の両側には約1万の大型献灯が並ぶ。夕刻になると一斉に灯が灯り、東京都心の夜空を黄金色に染めた。遺族、戦友、崇敬者、宗教団体などから奉納された献灯の一つ一つに奉納者の名前が墨書されている。内苑には全国から奉納された約2万の小型献灯が掲げられ、境内は幻想的な雰囲気に包まれている。
 期間中毎日午後5時から本殿で祭儀が斎行された。午後8時半までは随時正式参拝がなされ、夜間は本殿に最も近い神域の中庭参拝がゆるされた。
 13日、梅雨空の下、夕刻には恒例の千修吹奏楽団による奉納吹奏楽パレードは始まった。真っ白な上下に赤い帯がポイントのユニフォームに身を包んだ千修吹奏楽団は第一鳥居からドラムのリズムと管楽器の音色を響かせて外苑参道を進んだ。第二鳥居から楽器を納め静寂の内に神門をくぐり拝殿前まで進み出て整列。参拝ののち荘厳に「海ゆかば」の演奏を奉納した。

三大弁財天の神事の後、空に現れた日輪とすじ雲

 同じ頃、能楽堂ではデワンダルダンスカンパニーによるインドネシア・ジャワ舞踏、続いて高土新太郎とゆるゆる演芸寄席の奉納演芸がなされた。続いて参道から拝殿までワッショイワッショイの掛け声を伴って麹町靖國講・大妻女子大学の神輿曳き回しが行われた。午後8時半からは、拝殿横で崇教真光青年隊が五色太鼓を奉納。夕闇が拝殿を包む中、勇壮な鼓動が響き渡った。
 その他、日本舞踊、浪曲、民謡、漫談、雅楽、琉球舞踊、古武道、モダンダンス等各種の芸能が連日次々に奉納された。14日夕には大本山増上寺熊野みこし講の神輿曳き回し、午後7時からは「つのだ☆ひろ奉納野外特別コンサート」が行われた。
 16日、奉納芸能の大トリは、一般社団法人日本歌手協会が務める奉納歌謡ショー。合田道人の司会で、歌手の田辺靖雄、原田直之、あべ静江、松原のぶえ、工藤夕貴、木村徹二が出演。懐かしい戦後歌謡がみたまに捧げられた。
 境内には、各界著名人による約300点の「懸ぼんぼり」と、著名俳人の献句、全国からの献句2000から選ばれた150句の「献句ぼんぼり」が掲げられた。神門には、宮城懸護國神社奉納の仙台七夕が彩を添え、遊就館本館玄関には青森ねぶた飾、弘前ねぷた飾、秋田湯沢絵灯篭、広島宮島管絃船など全国より奉納された有名燈籠が展示された。
 遊就館では特別展「兵食~陸海軍の食事から、英霊に捧げる『神饌』まで」が開催されている。