田植え
2020年6月10日付 764号
4月にこしひかりを植え、6月はあきさかり。福井県農業試験場で2008年に誕生した品種で、きぬひかり系とこしひかり系の稲を交配し、こしひかりより収穫期を遅くした。こしひかりのもちもち感と、甘みとうま味が特徴。
こしひかりの水田は中干という、水を抜いて田を干す作業を行う。そうすることで苗は分けつして茎を増やし、たくましくなる。こしひかりの欠点は倒れやすいことなので、この作業が欠かせない。どこか子育てに似ている。
6月には各地の神社でお田植祭がある。早乙女たちが早苗を植える風景は、米づくりの国日本を実感させる。弥生時代から繰り返してきた米作が、日本人をつくってきたように思う。稲を自分の分身のように世話し、田植えなどでは地域の人たちと共同作業を行う。そこから人や自然との接し方を学び、成長してきた。
農業が個人化したのは田植え機が導入されてからで、家内労働だけで完結するようになったからだ。それが農家の高齢化、後継者不足で、再び共同化に向かいつつある。でも、それは日本にとっていいことで、私にとってもいいことにしたい。
順番で自治会長になったので、初めて写真入りの「お便り」をつくり、市からの広報資料と一緒に配った。地域の活動をみんなに知ってもらうためで、花のプランターを小学校に寄贈したニュースが目玉。通学路そばの田んぼに咲かせたレンゲも好評だった。草刈りなどの参加者も増え、楽しそうに活動しているのがうれしい。