脳と体を同時に鍛える嬉しさ

2023年12月10日付 806号

 天地子が所属する農事組合法人では、14ヘクタールの田んぼでうどんとパンの小麦を栽培している。麦まきの適期は11月15日から12月10日で、限界は20日。ところが11月18日まで雨がちで田んぼを耕運できず、やっとまき始めたのは30日。一時は不安に押しつぶされそうだったが、天気が相手なのでどうしようもない。
 ところが始めてみると意外に順調で、4日間でうどん用の小麦を7ヘクタールにまいた。トラクターに付けた播種機でまき、その後、一輪管理機で溝開けをするのだが、これが実にスムーズ。要因は、特殊な機械で荒お越しをしていたからで、その後、トラクターで耕運すると土がこなれ、播種も溝開けも以前よりやりやすかった。作業仲間が一転、明るい雰囲気になったのは言うまでもない。12月4日からはパン用小麦をまき、10日完了の見込み。
 来年の稲作で計画しているのは、自前の乾燥機の導入。これまでJAの大型カントリーエレベーターに出荷していたが、それだと自分たちの米を消費者に届けることはできず、収入につながる作業時間も増やせない。幸い、日本政策金融公庫の融資は可能との診断で、50代の後継者も見つかった。5~10年で仲間への支払いは維持しながら、借金を返済する計画だ。
 その過程で米の仲買業者に打診すると、いくらでも欲しいとのことで、米不足の一面を垣間見た。集落営農の楽しさは、地域とのつながりにある。70代になって人生最大の筋肉労働をしながら、天地子は脳と体を同時に鍛える嬉しさを感じている。