日本和文化グランプリ授賞式

和文化で世界を一つに/東京・国際文化会館

授賞式後のギャラリートーク=11月14日、東京都港区の国際文化会館

 11月14日、第3回日本和文化グランプリの授賞式が一般社団法人・日本和文化振興プロジェクト(代表理事:近藤誠一)の主催により東京都港区の国際文化会館で開催され、関係者、招待者らが多数集まった。日本和文化振興プロジェクトは、日本の伝統文化と未来の伝統に繋がる現代の高い技術やアートワークの持続可能な発展の仕組みを構築・確立することを目的として令和2年5月に設立された。
 同プロジェクト副代表理事の重松理氏が開会の辞を述べた後、理事・監事、審査委員、アドバイザー、共催・協賛法人会員の紹介があり、授賞式では受賞者に記念品が贈呈された。受賞者は次の通り。
 グランプリ:中村圭。準グランプリ:田泉夏実。優秀賞:安川万里子、岸野田、高橋完治・暁、百瀬聡文。学生賞:方笑晗、李逸琰。奨励賞:荻原水那、知麻。
 審査委員長の三田村有純氏は挨拶で、「作品審査では、性別も国籍もわからず、作者が書いたコンセプトシートのみを作品と共に見ることができる。作者を世界に売り出すという素晴らしい賞(アワード)は世界にない。和文化は多岐にわたり世界の人々に理解されている。作者の皆様に感謝したい」と語った。

グランプリを受賞した中村圭氏

 同代表理事の近藤誠一元文化庁長官は「人間は文明を発達させ、豊かな生活を成し遂げたが、戦争や格差があり、自然を破壊している。効率や便利性、物質的豊かさだけを追い求め、手段が目的になり、大事なものが欠けている。80億の人類が自然と一体となり、家族のように暮らすのが目的だったはずだ。人を繋げるのが文化や芸術、工芸、伝統芸能で、共鳴することで人々は幸せになれる。それを実現する一つの手段が和文化グランプリである」と、プロジェクトの意義を説明し、総評を述べた。

総評を述べる近藤誠一元文化庁長官

 ギャラリートークでは、各受賞者が作品の説明をし、審査委員の三田村有純、上杉孝久、堀越英嗣の三氏と語り合った。
 田泉夏実氏は受賞作品『Cirrus Cloud』について、「薄くて透けて見えるような雲の印象を形にした。黒(漆)と金(金粉)は決定的な対比があるが調和する素晴らしい素材で、漆を薄く塗り重ね、漆黒の他には代えられない美しさを出した」と語り、中村圭氏は受賞作品『KAKI』について「竹細工をする中で、花器や花籠は避けて通れないアイテムだと思い、花籠の使い方を知るためにお華を習い、花に癒される体験をした。竹と真鍮を使うことで対比が生まれ、竹も良く見え、真鍮には竹にない煌びやかさがある。サイズが5つあるので、積み上げたり、並べたり、壁に掛けたりできる」と述べた。
 交流会では、作品を鑑賞しながら作家と参加者が歓談し、吉田誠男副代表理事が閉会の辞を述べた。第1回のグランプリ受賞者で今回からアドバイザーに就任した中川周士氏は、「受賞した後、自分の中の世界が広がり、自由になって、伝統工芸の枠の中で大きな作品に挑戦するようになった。寛容性のある和文化を通して世界を繋ぎ直したいと思う」と語っていた。