天香師誕生祝う一燈園春の集い/京都市山科区

講演「トイレから地球感謝」

挨拶する西田多戈止当番

 西田天香師生誕151年を祝って4月15日、京都市山科区の一燈園(財団法人懺悔奉仕光泉林、代表・西田多戈止当番)で恒例の「一燈園『春の集い』」が開かれた。今年はコロナ禍が下火になったため全国の会員が集まり、講演や高校生による合気道の演武を楽しんだ。
 最初に西田多戈止当番の主唱に合わせ「天華香洞録抄録」を唱和、地球に懺悔と感謝の黙祷を献げた後、西田当番が一燈園の一年間の活動を振り返った。
 西田当番はまず、会場に飾られた生け花を紹介し「一燈園の青年たちが植えて育てた桜などを集めて活けた、この花も私たちも皆様を歓迎します」と挨拶した。そして昨年秋に、滋賀県長浜市で「西田天香と杉本哲郎」展が開かれたことについて、画家杉本氏と天香師との合同展を共通の故郷である長浜で開いたことに意味があり、そこにインドのニキレーシュ・ギリ総領事が出席されて大成功を収めたと報告した。
 今年2月には、シビ・ジョージインド大使夫妻とギリ総領事が一燈園を訪れ、香倉院に展示されている、ガンジーから譲り受けた手回しの木製糸車(チャルカ)を見て感慨深い時を過ごしたことを報告した。そして、杉本画伯の孫で実行委員でもある杉本太郎氏を紹介した。杉本氏は、昨年の合同展と西田家と杉本家の3代に渡るご縁に感謝し、近い将来、同様の展示会を京都でも実施したいとの構想を発表した。

少林寺拳法を披露する燈影学園の高校生

 開会式の後、トイレ専門企画会社「アントイレプランナー」代表白倉正子氏が「トイレから地球革命!〜地球感謝をトイレから実践!〜」と題して講演。白倉氏はトイレ清掃に関する起業を考えていた時に一燈園と出会い、トイレ清掃を体験したという。
 トイレの研究を進めた白倉氏は奥深さを見いだし、現代の技術によるトイレ掃除の研究から、自身が指導する立場になる。そして、千葉県の観光対策の一環として県民にトイレ掃除を教えるため3年間で50か所を訪問し、720人に指導したという。
 また、銀座の高級クラブに夕方から出勤する女性たちは、出勤前の化粧直しに、トイレが広くてきれいなデパートを選ぶので、それに伴ってデパートの売り上げも伸びたというエピソードも紹介した。話を聞いた大阪市から来た婦人は、「清掃の技術もずいぶん進んでいて、奥が深いですね」と感心していた。
 講演の後、園内にある燈影学園の少林寺拳法部の高校生による全国大会優勝の報告と、演武が行われ、裂帛の気合いとともに目にも留まらない突き、蹴り、そして投げに参加者から大きな拍手が湧いていた。
 午後からは演奏会が開かれ、池田沙弥(さや)さんのバイオリン、坂口航大(こうた)さんのピアノ演奏があり、「チャルダッシュ」「子犬のワルツ」や、アンコールに「情熱大陸」のテーマ曲が同園に響きわたった。