神戸で第5回世界平和 祈りの幕開け

「もう一つのエルサレムは日本」

東大寺大仏開眼供養でも披露された魚山流天台聲明研究會による「聲明」

 神戸平和研究所(杣浩二理事長)主催の「世界平和 祈りの幕開け」が神戸市の神戸ポートピアホテルで開催された。「宗教の違いを超えて世界平和を実現しよう」という趣旨のもと宗教関係者ら約170人が参加。毎年11月11日に開催されており今年は5回目となる。
 会の冒頭、仏教、神道、キリスト教、イスラム教、天理教、大本教、宇宙根本神など各宗教の代表がそれぞれの形で祈った後、参加者全員が世界平和のための黙祷を捧げた。
 続いて三宗司郎・神戸平和研究所所長が「神戸から世界平和を願ってわずか5人で立ち上げた会が、現在は国際的な規模になったことを感謝する」と挨拶した後、魚山流天台聲明研究會によって、752年の東大寺大仏開眼供養でも披露された「散華」などの聲明が実演された。インド、ベトナム、中国、朝鮮半島などアジア諸国からも僧侶らが来日し、1万人以上が集まったと伝えられる開眼供養を盛り上げた荘厳な聲明に参加者は耳を傾けた。
 杣理事長は「世界に2つのシオンとエルサレムがある」と題し以下のように講演。杣氏はモルドバ国立教育大学から名誉教授・哲学博士の称号を授与されている。
 日本の文化や言語に古代イスラエルとの共通点が多く見られることや、イスラエルの「失われた十部族」が日本に渡来した可能性は、イスラエルの複数の学者も指摘している。これまで実際に日本各地の寺社、ギリシャやエジプトなどにも赴き調査した結果、そのことを確信するとともに、世界の宗教や文化のルーツは一つであることがわかり、その成果を『世界の文化は聖書から』という著書にまとめた。さらにヘブル語やギリシャ語にも精通する聖書研究家・藤森三千雄氏が、これまで旧約聖書のイザヤ書で単に「光」と訳されている箇所は「日の昇る東の地」と訳すべきと立証した研究を踏まえ、聖書に予言されたシオン、エルサレムが日本であることを再確認できた。日本は世界平和に対して重要な使命を持っている国だという思いを強くした。
 今年は新型コロナ感染拡大防止のため参加人数を制限されたが、ルワンダのルワムキョ・アーネスト大使らアフリカ4か国の駐日全権大使が参加するなど、世界平和を願うにふさわしい国際色豊かな集いとなった。