悔い改めの期間

2021年2月10日付 772号

 「主は言われる。『今こそ、心からわたしに立ち帰れ/断食し、泣き悲しんで。衣を裂くのではなく/お前たちの心を引き裂け。』あなたたちの神、主に立ち帰れ。主は恵みに満ち、憐れみ深く/忍耐強く、慈しみに富み/くだした災いを悔いられるからだ。あるいは、主が思い直され/その後に祝福を残し/あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を/残してくださるかもしれない。」(ヨエル2:12─14)
 西洋キリスト教世界の暦では2月17日に「灰の水曜日」を迎え、この日からレント(四旬節)に入る。イエス・キリストの十字架の死を悼み、復活祭の喜びを迎えるまでの40日の悔い改めの期間である。受難を甘んじて絶え忍び、槍を向ける者をゆるし、天の父への信頼を失わず生命を捧げていく神の子の姿を見つめながら胸を打ち、自らの不足を悔いる。この方の死に少なからず責任があることを感じて痛悔の念が湧く。
 世の混乱、闘争、災禍によって苦難にあえぐ人々の姿を目の当たりにする時、人々の抱える罪を目の当たりにして痛悔の心で胸を打つ。人々が創造主に立ち返り、ゆるしと愛に満ちた関係性の回復を祈る。

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