命拾い

2023年2月10日付 796号

 暮と正月、天地子は二度命拾いをした。12月30日の午後、山裾のイノシシ除けフェンスの周りを草刈りし、焼却したところ山に延焼しそうになり、大急ぎで地下足袋をはいた足で踏み消したため、両足先に二度のやけどを負い、救急車で高松日赤へ。救急車に乗ったのは生まれて初めて。そのまま1月6日まで入院・治療し、退院。その後は近くの市民病院に通院。
 そして15日の午後6時半、今年の稲作の作付けの会議を仲間3人として、30メートル先の自宅に帰ろうと、事務所を出て左折した途端、暗さと足のおぼつかなさのため、深さ1メートルの用水路に落ち、左手首と鼻を骨折した。再び救急車で高松日赤へ。主治医の皮膚科の女医さんが、「あら帰ったのじゃないの」。応急処置を受けて深夜に帰宅し、16日に市民病院の整形外科へ。17日に入院、18日に左手首を手術、鼻はそのまま経過を見ることにして、20日に退院した。
 周りに伝えると、姉は二度あることは三度あるから、年の数だけ一円玉をもって薬王寺へ行ったらと。去年の腸閉塞を入れると三度目だと言うと、「三度終わったんだ」と喜んだ。
 元消防士の農業仲間は「野焼きをしていて焼け死んだ遺体を何度も見た」と、編集仲間からは「近くで用水路に落ちて亡くなった老人がいた」と、それぞれ言われたので、田舎の老人にありがちな事故に遭遇し、命まで失くさなくてよかったと思うことに。後期高齢者の保険証も送られてきたので、少し生き方を変えようかと考えている。