米作りの敵

2022年9月10日付 791号

 今年の稲作で一番悩まされているのが雑草のヒレタゴボウ。別名アメリカミズキンバイと呼ばれるアメリカ原産の帰化植物で、家畜の飼料に混じって入ってきたのだろう。長く張る白い根を折ると、ゴボウの匂いがした。
 苗が伸びるのに少し遅れて育ち、黄色い花を咲かせて気付くことになる。手で簡単に抜けるのだが、一面に広がると手に負えない。稲刈りまで放置すると、芯が固くなり、コンバインでの刈り取りが不可能になってしまう。しかも、硬い茎がコメに混じり、不良品になる。
 散布すれば枯れる除草剤もあるのだが、収穫前50日までしか使えず、枯らした後からも生えてくるのが困る。種は黄な粉のように細かく、さやに無数に入っているからだ。
 もう一つは一年草なのに木のようなクサネム。黒く熟した実がコメに混じると不良品になるので、刈り取り前に除去しないといけない。これに聞く除草剤はなく、ひたすら手で抜き、カマで切るしかない。
 両者に比べたら、昔からあるヒエはコンバインで除去できるので、比較的扱いやすい。もっとも、田一面にヒエが広がると、米農家としてみっともない。
 来年から心配なのがジャンボタニシ。正式名称はスクミリンゴカイでタニシではない。原産地は南米で、台湾から食用に導入されたのが、苗を食い荒らす有害種になった。薬品も開発されているが、特効薬はない。まだ食害は出ていないが、時間の問題だと危機感を募らせている。米価は下落するし、米作りは楽しいが、楽じゃない。