イノシシ除けフェンス
2019年2月10日付 748号
天地子の自治会は平野の中の丘のような独立山の南にある。その丘の上にあった中学校が5年前に廃校になり、今年4月に新しい小学校が開校する。それに向けて作業しているのが、イノシシ除けフェンスの設置。市有地の中は市が行うが、そこまでは自治会の分担。暮れに市の職員と現地を踏査し、接合場所を決めた。
1月の第2日曜日から志願者を募って作業。35軒から約15人が集まったので、2チームに分け、軽トラでフェンスを運び、山すそに設置していった。フェンスに鉄の棒、ステンレスの針金など経費は100万円を超え、半額は県と市の補助、残りは地元の農事組合法人が負担し、自治会員は午前の3時間、3回の勤労奉仕。
イノシシが増えた一因は、山すその畑が竹林に変わり、エサのタケノコが大量に生えること。本来、人の手が入ってこその里山だが、燃料や肥料の変化で人が山に入らなくなり、山は荒れ、キノコも生えなくなった。
そこで天地子が取り組んでいるのが、竹林の整理。適度に竹を伐採してタケノコを掘りやすくし、旬の味覚を知人に配る。今年、自治会で始めるのは、耕作放棄地にヒマワリなどを植える環境改善。国と県、市から補助金が出る。
少子高齢化でもふるさとを維持するには、きめ細かな施策と郷土愛が求められる。亥年にイノシシを排除するのは申し訳ない気もするが、子供たちの笑顔が見られるのが楽しみだ。