合唱祭

2023年5月10日付 799号

 昭和の日に天地子の地元で市主催の合唱祭があった。毎年、この日に決めているのは、音楽ホールの冷暖房費がかからないから。それなのに、「寒いからクーラーをとめて」と訴えてきた女性がいたので、「コートを羽織ってください」と応えた。
 ステージの設営が終わり、時間があったので本番の舞台で練習することに。20分ほどの練習の終わりころ、突然、後列の男性が倒れかかってきた。意識不明状態なので、そのまま寝かせ、手で頭を支えた。数秒後、「もう大丈夫だから」と立ち上がろうとするのを、「動かないで」と抑え、救急車を手配。「こんな時は専門家に任せた方がいい」と、経験からくるアドバイスをした。
 天地子も二度体験した救急車に付き添いで乗ると、隊員に同じような質問を受ける。慣れたもので、状況を詳しく説明した。幸い、不整脈で通っているかかりつけの病院が受け入れてくれることになり、搬送。
 翌日、回復した男性から電話があり、「妻に言われ、退団したい」と。男性は女性の声に引かれがちなので、合唱の先生に「男性は女性に引かれないように」とよく注意されるのだが、男たちは家でも妻に引かれているので仕方ないのか。
 技術優先の時代にリベラルアーツが見直されている。文字通り「自由」になるための「学問」で、そこに必ず音楽が含まれているのは興味深い。仏教やキリスト教など宗教の基本にも音楽がある。音楽は人を自由にするツールの一つなのだろう。合唱に励み、いつかは妻から自由になりたい!

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