「自分の務めを全うしなさい」

2022年12月10日付 794号

 「神の前で、そして生きている者と死んだ者とを裁かれるキリスト・イエスの前で、その出現と御国とを思い、私は厳かに命じます。御言葉を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを続けなさい。忍耐と教えを尽くして、とがめ、戒め、勧めなさい。誰も健全な教えを聞こうとしない時が来ます。その時、人々は耳触りのよい話を聞こうと、好き勝手に教師たちを寄せ集め、真理から耳を背け、作り話へとそれて行くようになります。しかしあなたは、何事にも身を慎み、苦しみに耐え、福音宣教者の働きをなし、自分の務めを全うしなさい。」(テモテへの第二の手紙4:1─5)

 迫害する者から一転、キリストの証人となったパウロは、艱難辛苦を乗り越え、新たに悟った教えをローマ帝国に広げていった。晩年、囚人として引かれて行っても、信仰は揺るがず、死が迫るなか、弟子への遺言は、信仰者としてまっすぐに生きよ以外にはなかった。行いに裏打ちされた彼のことばは、何代にもわたり人々の人生の指針となっていく。