ビオトープ

2022年4月10日付 786号

 天地子の地域では、4月は田植えの始まり。6月の酒米さぬきよいまいで終わる。去年は10日にコシヒカリを植えたが、低温のため生育が悪かったので、今年は16日開始となった。それに向けて、耕耘、堰の整備、畦塗りなどの作業を進めている。
 土が軟弱でトラクターが動けなくなるような2ヘクタールほどの田んぼが長く耕作放棄になっていたので、地主に了解を得てビオトープにすることにした。水をため、水生生物がすみ着くようにするのだが、第一の理由は水の力で雑草の繁茂を抑えること。
 その下の田んぼの畔際に、ユンボで深い溝を掘って水が抜けるようにし、畦塗りをしたうえでパイプ配管のコックを開けると、8時間ほどで浅い沼のようになった。さっそくシラサギが飛んできて、水面に浮いてくる虫を探していた。
 放置していると雑草が生い茂るので、これまでは年に数回草刈りをし、除草剤を散布していた。去年、おそらく保護している鳴門市から一度だけコウノトリが数羽飛来したので、いつもエサがある田んぼを用意すれば、また来るかもしれないとの期待から、ビオトープ化を決めた。
 書斎の窓からその田んぼが遠望できるのだが、今朝もシラサギが数羽来ている。これで朝の楽しみが一つ増えた。水路にいたドジョウをビオトープに入れたりしていると、子供時代を思い出す。これも、失われた身体性や自然性回復の一つになるだろう。

前の記事

聖週間