川崎大師の節分会/川崎市

福豆は別途配布

福豆を撒く藤田德乗貫首

 厄除弘法大師を本尊とする神奈川県川崎市の大本山川崎大師(真言宗智山派金剛山金乗院平間寺、藤田德乗貫首)で2月3日、節分会が盛大に執り行われ、「除災招福・開運満足・家内安全」の祈願の後、午前11時半、午後2時、午後4時半の3回、藤田貫首はじめ福男・福女により福豆が撒かれた。コロナ対策のため、参詣者は豆撒きを見物した後、職員から袋に入れられた福豆を受け取り、満面の笑顔で帰途に就いていた。
 本堂で裃姿の年男・年女と共に大護摩供の祈願者が合掌する中、大導師、式衆が入堂、本尊厄除弘法大師に拝礼、着座。参列者に向かい加持を授け、三帰依文が奉唱され読経に入り、「除災招福・開運満足・家内安全」を祈る表白が奉読された。太鼓が鳴り響き、般若心経が読誦される中、大導師により願い主の願意が込められた護摩供が奉修された。
 祈願の後、大導師、年男・年女たちが薬師殿特設舞台に勢揃い。太鼓の合図で一斉に「福は内」「福は内」と連呼。列に並んだ参詣者たちから歓声が上がった。川崎大師では「聖域には鬼は存在しない」との理由で「鬼は外」とは言わない。この日は子供たちを連れた家族連れが多く訪れ、厄除弘法大師の功徳にあずかった。
 初めて参加したという横浜市在住の女性は「本当に良かった。厳かな伝統が今も続いているのに感動した」と語り、近くのホテル勤務で50年近く毎年参加している男性は「どんなに世の中が変わり、社会が厳しくなっても、大師様だけは変わらず、裏切らず、私達を守ってくださり、有難い」と述べた。また、近所に住んでいる女性は「豆撒きがあることで春を迎えられる。生活に欠かせない行事だ」と語っていた。