美術「寿ぐ美 ―吉祥の意匠をとおして―」

明治神宮ミュージアム

 令和4年12月24日から東京都渋谷区の明治神宮ミュージアムで、「寿ぐ美 ―吉祥の意匠をとおして―」が開催されている。同展覧会は前期(令和4年12月24日から同5年3月5日まで)と後期(令和5年3月25日から6月25日まで)に分かれ、明治天皇・昭憲皇太后御物を中心に多幸を願う吉祥の意匠が施された装束や工芸品を通して、その意味や造形の美しさを紹介する。
 豊かな四季に恵まれ、古来自然からの美意識を育んできた日本は、唐の文化をもとに、動物や四季折々の植物、古典文学などあらゆるものを意匠化し、幸福・長寿・繁栄のほか邪気を祓い無病息災などの願いを込め、衣服や調度に施し尊重してきた。それらは今日も、成人式や五節句など人生の節目を祝う通過儀礼に織り込まれ、親しまれている。 前期展ではそのうち、新年の訪れを寿(ことほ)ぐ縁起の良い作品を展示し、後期は邪気を祓(はら)い無病息災などの意が込められた作品を展示する予定である。
 前期展示の主な出陳作品:《昭憲皇太后御料 御通常礼服》(前期)昭和44年の天長節で昭憲皇太后がご着用されたドレス。生地に桜花文様が施されている。《昭憲皇太后御料 御縫御召》色鮮やかな紅縮緬地に鶴が刺繍された単衣。《明治天皇御料 漆工御書棚》松竹梅と鶴の美しい装飾が施された書棚。
会場:明治神宮ミュージアム(明治神宮境内)
会期:[前期]令和4年12月24日から令和5年3月5日まで、[後期]令和5年3月25日から6月25日まで(木曜日休館、但し1月5・23日、5月4日、6月15日は開館)
お問い合わせ:03-3379-5875 https://www.meijijingu.or.jp

昭憲皇太后御料 御通常礼服 明治後期 洋服
.昭憲皇太后御料 御縫御召(紅縮緬地富士三保松原鶴文様) 明治時代 装束

明治天皇御料 漆工御書棚 明治時代 装束