愛の絆

2021年6月10日付 776号

 「まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。
 エフライムの腕を支えて歩くことを教えたのは、わたしだ。しかし、わたしが彼らをいやしたことを彼らは知らなかった。わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き彼らの顎から軛を取り去り身をかがめて食べさせた。
 わたしは激しく心を動かされ、憐れみに胸を焼かれる。わたしは、もはや怒りに燃えることなく エフライムを再び滅ぼすことはしない。わたしは神であり、人間ではない。お前たちのうちにあって聖なる者。怒りをもって臨みはしない。」(ホセア書 11:1、3~4、8~9)
 創造主なる方は、人類救済の道筋をつけるためイスラエル民族を選び、厳しく訓練してきた。その方は、厳格なる主人として選民がその命じるところに従うことを強いる。だが時折、慈愛に満ちた親の姿を垣間見せる。預言者の声にそれが漏れ聞こえてくる。神と人との愛の絆を強め、ちかしい関係を築きたいとの願いがそこに見出される。イエスの登場でその方を「父」と呼ぶことが明示された。

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