展覧会「江戸の書画-うつすしごと」

成田山書道美術館 10月22日から

 千葉県成田市の成田山新勝寺の境内にある成田山書道美術館で10月22日から12月18日まで「江戸の書画-うつすしごと」が開催される。
 江戸時代には、書において法帖の輸入と制作が盛んになり、日中古今の名筆を搨した墨帖が大量に出版された。絵では四条円山派のように写生を重視する姿勢が確立されるとともに、花鳥などの図譜もたくさん編まれた。
 書にしても絵にしても、そのいとなみの中心は「うつす」ことと言える。古人の名跡を臨書し、父祖や師の筆跡を手本に学ぶ。風景や人物、花鳥、身辺の出来事を描き留める。うつすことは学習であり、時間や距離を超えた伝達を可能にする記録であると同時に、書き手、描き手の意志を伴った創造的な活動でもある。「うつす」ことによって、持ち運ぶことのできない景色や、秘筺に収まる名品を見ることができる。
 塙保己一の『群書類従』や松平定信の『集古十種』のような歴史や博物、文学などの類従も盛んに行われているように、江戸時代は、「うつす」時代とも言えるだろう。
 同展覧会では、江戸の能書や文人、絵師たちの写す仕事の一端を切り取って紹介している。

会期:令和4年10月22日から12月18日まで。(月曜休館、成田山公園紅葉まつりに伴い11月19日㈯、20日㈰は入館無料)開館時間:9時から16時まで(最終入館は15時半)お問い合わせ:0476-24-0774

ポスター
酒井抱一「大蚊図賛」
中村芳中「鷺図」