美術・特別展「偉人たちの筆あと― 明治神宮所蔵 書の名品から ―」

 10月18日から11月30日まで、明治神宮境内の明治神宮ミュージアムで特別展「偉人たちの筆あと― 明治神宮所蔵 書の名品から ―」が開催されている。

 明治元年(1868)、明治天皇は御年16歳で即位され、「新しい日本の国づくり」に御心を注がれた。新しい日本の姿を描き、国づくりに奔走した立国の志士は、明治という時代のはじまりに明治政府の重鎮として明治天皇をお助けし、共に活動する一方、書画や歌に優れた一面をもつ人々も少なくなく、和歌や漢詩をしたためて書芸を磨いた。

 同展では、明治神宮が所蔵する幕末から明治期を代表する偉人たちの書跡を一堂に展示している。開館以来、初公開となる資料を含め、明治の国づくりに奔走した偉人たちの筆あとを通して、その足跡や物語、御祭神である明治天皇、昭憲皇太后との関わりにも触れることができる。

 明治天皇御料・漢詩書『邈矣二千五百年』(木戸孝允作 明治初期 明治神宮蔵)は、長州藩出身の木戸による書である。木戸は明治政府の中枢に身を置き、版籍奉還、廃藩置県などを推し進める指導的役割を担った。明治9年(1876)6月には明治天皇の東北巡幸に供奉し、二荒山神社参詣の道すがら、中禅寺湖においてこの詩を詠んだ。後に明治天皇の御下命で本作品を奉呈したとされ、表装も天皇のご意向によるものであることが記録に残る。

 明治天皇御料・和歌書『御恩も』(三條実美作 明治初期 明治神宮蔵)は、尊王攘夷派の公家として知られる三條の書である。三條は維新後、明治政府の要職に就き、国家を支えた。誠実で温厚な人柄は人々の尊敬を集めたと評されており、品格高くおおらかな筆風からもそれがうかがえる。明治6年(1873)12月4日、明治天皇は三條邸を行幸された。同書はその日の感懐をしたためたものである。

 明治天皇御料・漢詩書『王師一到服頑兇』(大久保利通作 明治初期 明治神宮蔵)は、明治7年11月、台湾平定後の現地視察の際に、大久保が戦場であった石門を通過した際に詠んだ詩を、自ら揮毫したものである。明治7年(1874)5月、明治政府は台湾に出兵し、6月に平定を完了した。その後、大久保は全権弁理大臣として北京に赴き、緊張状態にあった清国との交渉にあたり、開戦を回避した。

会期: 10月18日(土)から11月30日(日)まで

会場: 明治神宮ミュージアム(明治神宮境内)

休館日: 木曜日

開館時間: 午前10時から午後4時30分まで(入場は閉館の30分前まで)

問い合わせ: 明治神宮ミュージアム(03-3379-5875)

明治天皇御料・漢詩書『邈矣二千五百年』 木戸孝允作 明治初期 明治神宮蔵
明治天皇御料・和歌書『御恩も』 三條実美作 明治初期 明治神宮蔵
明治天皇御料・漢詩書『王師一到服頑兇』 大久保利通作 明治初期 明治神宮蔵