サミット38周年「世界平和祈りの集い」/比叡山延暦寺

諸宗教の代表ら450人が参集

黙祷する諸宗教の代表たち=8月4日、滋賀県大津市の延暦寺「祈りの広場」

 宗派を超えて内外の代表が集まり平和を祈る「世界平和祈りの集い」が8月4日午後、滋賀県大津市の比叡山延暦寺で行われた。
 「集い」は1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱で、イタリア・アッシジで諸宗教の指導者が祈りを捧げた「平和祈願の日」を受け、翌87年に当地で開かれた「比叡山宗教サミット」の精神を引き継ぐもの。天台宗国際平和宗教協力協会、天台宗、延暦寺が毎年開催し、今年で38回目。
 ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ攻撃など各地で紛争が続く中、仏教、神道、キリスト教、イスラム教、新宗教など諸宗教の代表ら約450人が参集、「平和の鐘」の音が響く中、黙祷を捧げ、紛争解決や環境保全などを祈った。
 第1部「平和の式典」は延暦寺会館で開かれ、細野舜海天台宗宗務総長が会式の辞で、「戦後80年、悲惨な犠牲をもたらす核兵器の廃絶を強く世界に訴えるべき年だ」と述べた。
 続いて、昨年12月、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会代表委員の田中煕巳(てるみ)氏が「核兵器も戦争もない人間社会を」と題し講演。
 13歳の1945年8月9日、長崎の爆心地から東に3キロ離れた自宅で被爆した田中氏は、「核兵器は人間として使ってはいけない兵器だと、体験した私たちは心から思っています。それだけに、多くの苦難はありましたが、全国の被爆者が結集して日本被団協を結成し、70年にわたる運動の中で、核兵器を使ってはいけないと世界に呼びかけてきました。そして、ヨーロッパではそういう意味での『核のタブー』が定着してきたので、戦後80年間、核兵器は使われなかったのですが、今日、大変危険な状況になっています」と語り、参加者は感銘を受けていた。
 次に、ユニセフ支援金寄託式があり、「世界の子どもたちの福祉と教育支援金として」参加者一同の名で目録が、公益財団法人日本ユニセフ協会の早水研専務理事に手渡された。
 第2部は一隅を照らす会館前の「祈りの広場」に会場を移し、比叡山メッセージを神社神道と仏教の若い宗教者代表が朗読した。
 続いて諸宗教の代表が登壇し、「平和の祈り」が黙祷で捧げられた。登壇したのは、教派神道連合会・大本の出口紅教主、全日本仏教会副会長・大阪府佛教会の村山廣甫会長、日本キリスト教連合会・カトリック京都司教区の大塚喜直司教、神社本庁総長・石清水八幡宮の田中恆清宮司、新日本宗教団体連合会理事長・大慧會教団の石倉寿一會長、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の戸松義晴理事長、世界連邦日本宗教委員会議長・神道扶桑教の宍野史生管長、日本ムスリム協会の柏原良英会長、ローマ教皇庁のフランシスコ・エスカランテ・モリーナ駐日全権大使、および主催者代表で天台宗の藤光賢第259世座主。
 続いて海外メッセージの披露があり、世界仏教徒連盟のパロップ・タイアリー会長とローマ教皇庁諸宗教対話省長官のジョージ・ジェイコブ・クーバカド長官からの平和のメッセージが、それぞれ代読された。
 最後に、藤光賢天台座主が「平和とは…人と人が、自己の主張に重きを置くのではなく、相手の立場をおもんぱかり、慈しみの心をもって作り上げていくものです」と語り、閉式の辞を延暦寺の獅子王圓明執行が述べ終了した。