特別展「明治神宮の刀剣」/明治神宮ミュージアム
令和7年12月20日から令和8年3月8日まで、東京都渋谷区の明治神宮ミュージアムで特別展「明治神宮の刀剣」が開催されている。同展では、明治神宮に奉納された刀剣の中で特に優れた作品が公開されている。
日本では古代より刀剣を捧げることで、祈りと感謝の意を神に捧げる神事が行われていた。『日本書紀』にはその伝統が垂仁天皇の御代に始まったと記されている。それらはその時々の最高の技術によって製作され、奉納後は使用されることなく、社宝として各神社で大切に保管されてきた。
明治神宮では、創建から現在に至るまで、刀剣が奉納されてきたが、特に昭和33年(1958)の御社殿復興の折に盛んに行われ、また近年では令和4年(2022)の明治天皇百十年祭を記念し宝物殿にて奉納鍛錬が斎行された。
明治天皇御料『御正剣』(明治19年)は、明治19年(1886)改正の正剣である。指揮刀のため、刃はついていない。明治天皇御料『御剣掛』(明治時代)は、明治天皇の御座所で使用されていた七段の刀掛けである。明治天皇は刀剣の鑑賞を好まれ、御手許に刀剣の目録を始終置いて、御座所にて度々ご覧になられたと伝えられている。
明治天皇御料『御刀』(明治45年)は桜井正次の作品で、「明治四十五年二月吉日、卍正次謹作、舞子、有栖川宮廷前」と銘打たれている。桜井正次は有栖川宮威仁(たけひと)親王より鍛刀場を提供され、明治42年から神戸市舞子の有栖川別邸で鍛刀を行うようになった。
『刀』(月山貞利作、令和7年)は、令和4年に明治天皇百十年祭並びに明治天皇ご生誕百七十年記念として、明治神宮宝物殿で奉納鍛錬式が行われて以来、製作が継続されていたもの。令和7年11月11日に奉納された。月山家は明治39年(1906)に月山貞一(初代)が明治天皇により帝室技芸員に任命されて以来、皇室に関わる作刀を行ってきた。
また、その他の作品も展示されており、その一つが二条城内の黒書院において、会津藩主の松平容保らの幕府重臣を前に慶喜が政権を奉還する決意を述べる光景を描いた『聖徳記念絵画館壁画下図 大政奉還』(邨田丹陵作、昭和初期)だ。また、晩年の勝海舟と面識があり、東京美術大学教授を務めた結城素明の作品で、新政府と幕府との戦いを回避し、江戸を戦火から守るため、勝海舟が旧知の仲である西郷隆盛と会談を行う様子が描かれた『聖徳記念絵画館壁画下図 江戸城開城談判』(昭和5年)は見どころである。
会期: 令和7年12月20日(土)から令和8年3月8日(日)まで
会場: 明治神宮ミュージアム(明治神宮境内)
休館日: 木曜日(但し1月1日は開館)
開館時間: 午前10時から午後4時30分まで(入場は閉館の30分前まで、初詣期間中は延長開館)
問い合わせ: 明治神宮ミュージアム(03-3379-5875)





