家庭連合をめぐる問題は「でっちあげ」

福田ますみ著『国家の生贄』出版記念トーク/東京都千代田区

挨拶をする著者の福田ますみ氏=12月22日、東京都千代田区の会場

 12月22日、東京都千代田区の会場において、福田ますみ著『国家の生贄』の出版を記念したトークイベントが、「信者の人権を守る二世の会」(小嶌希晶代表)の主催で開催された。当日は多くの参加者が来場し、会場は盛況となった。信教の自由やメディア報道の在り方、司法の問題などをめぐり、活発な議論が交わされた。

イベントは二部構成で行われた。

 第一部は司会の開会宣言に続き、主催者を代表して小嶌希晶氏が挨拶に立った。小嶌氏は、著者の福田氏が同書を通して事件の背景や真実を丁寧に掘り下げてきたことに感謝の意を示し、その思いから本イベントを企画したと述べた。

 来賓紹介の後、同書を出版した飛鳥新社の花田紀凱社長が登壇し、「本書は、日本における信教の自由を守るうえで極めて重要な一冊だ」と強調した。その上で、「政教分離に対する誤解が放置されている現状や、家庭連合が共産主義を批判してきたという背景について、オールドメディアは一切報じていない」と語った。

 続いて、文芸評論家の小川榮太郎氏が推薦の辞を述べ、「この連載を三年間続けるというのは本当に勇気のいることだ」と福田氏の姿勢を評価した。また、「この本は家庭連合の信者だけでなく、むしろそれ以外の人にこそ読んでもらいたい。もしメディアが真実と180度異なる報道をしているのであれば、それ自体がこの社会の異常さを示している」と述べ、「一人でも多くの人に本書が届くことを願っている」と語った。

 前参議院議員の浜田聡氏は、「国会において、家庭連合の解散をめぐる問題について何度も疑義を呈してきた」と語り、「今朝さっそくYouTubeで本書を紹介した」と推薦の言葉を述べた。

 その後、著者の福田ますみ氏が登壇した。福田氏は、「家庭連合は“絶対悪”の組織だと言われてきたが、実際に会ってみると、むしろ模範的な社会人が多かった」と取材当初の印象を語った。また、「取材を始める前は宗教についてほとんど知識がなかったが、この三年間、自ら宗教とは何かを学びながら取材を続けてきた」と振り返り、「日本の一般社会では宗教に対する理解が乏しく、そのことが大きな意識の乖離を生んでいる」と指摘した。

 さらに、「連載を終えた今も、世間では家庭連合の信者がマインドコントロールされているという見方が根強い。家庭連合が“悪い宗教”だという極めてネガティブなイメージが形成されているが、それは誰かが意図的に植え付けている側面がある」と述べ、「家庭連合を絶対悪へと仕向けようとする勢力の存在を、ある程度明らかにした」と語った。

パネルディスカッションの様子。左から司会を務めた小嶌希晶氏、福田ますみ氏、小川榮太郎氏、浜田聡氏

 第二部ではトークイベントが行われ、小嶌氏が司会を務める中、福田氏、小川氏、浜田氏によるパネルディスカッションが行われた。

 福田氏は、「私が家庭連合のイベントに参加していること自体が、まるで犯罪であるかのように扱われている」と現状を述べ、「世間の人に本当のことを知ってもらいたいが、その前に立ちはだかっているのがメディアだ」と指摘した。さらに、「拉致監禁の実態や、それに反対する人々の正体について、メディアは報じようとしない」と述べ、「私が書いた『でっちあげ』(福岡の小学校教師がメディアで「殺人教師」と非難を浴びた事件が、全くのでっちあげだったことを明らかにした)は一個人の問題を扱ったものだが、家庭連合をめぐる問題は国家的な“でっちあげ”だ」と語った。

 小川氏は、「1970年代、勝共連合は右と左が激しく対峙する時代の中で、右側の力を結集する大きな運動として広がっていった」と振り返り、「右側の背後にある宗教を攻撃することで、巧妙なイデオロギー闘争が行われてきた」と指摘した。

 小嶌氏は、「当初は二世問題も視聴率稼ぎだと思っていたが、次第にイデオロギー闘争だと理解するようになった」と述べた。浜田氏は、「解散命令が通ってしまえば、テロリストの思惑を結果的に通すことになる」と危機感を示し、「厳しい戦いではあるが、勝てない戦いではない」と語った。また、「国会で家庭連合の解散はおかしいと質問したところ、複数の国会議員がお礼に来た。内心では同じ問題意識を持っている議員も多いのだろう」と述べた。

 小川氏は、「流れは変わりつつある。信教の自由のロジックを正しく認識する必要がある」とした上で、「日本で信頼されてきた出版社が魂を売ってしまったことも一因だろう」と指摘した。一方で、「テレビでは叩かれている高市首相の支持率が下がらないのは、テレビメディアの影響力が急速に低下している証拠だ」と述べ、現状を肯定的に捉えた。

 小嶌氏が「現役信者へのヒアリング(聴き取り)が行われていなかった事実に衝撃を受けた」と問題提起すると、福田氏は「『信者はマインドコントロールされている』というもっともらしい説が流布されたためだろう。やり方が非常に巧みだ」と応じた。これに対し、小川氏は「テレビは人類が発明したものの中で最も悪質なものだと思うが、その中であっても、しかるべき人に実情を訴えていくことが重要だ」と述べた。

 福田氏は、「家庭連合の問題では司法が完全にアウェーの状態にある」と述べ、「地裁(地方裁判所)の解散に関する判断を見ると、詭弁的で、証拠に乏しい印象を受ける」と指摘した。また、国連の特別報告者などが日本の対応について国際人権法の観点から懸念を示していること(国連人権高等弁務官事務所〈OHCHR〉2025年10月1日付公式プレスリリース)に触れ、「家庭連合の問題は、日本の司法の歪みを浮き彫りにしている」と結論づけた。

 最後に小川氏は、「司法の異常性の背景には極左的イデオロギーがあり、それは断末魔的な状況にある」と述べ、「そのためにも、どのように世論を喚起していくかが重要であり、本書のような確かな証拠が必要だ」と語った。浜田氏も「厳しい戦いではあるが、流れは確実に変わってきている」と述べ、イベントを締めくくった。

 来賓として参加した杉原誠四郎氏(元武蔵野女子大学教授)は、「本書は断片的な事象ではなく、全体像をきちんと説明しており、社会的な影響も大きい。本が刊行された意義は非常に大きい」と評価した。その上で、「本日の成果は、旧統一教会を攻撃している人たちの実体を国民に明らかにする必要性が共有されたことだ」と語った。