「世界平和 祈りの幕開け」/神戸市
世界の宗教の目的は一つ

11月11日、NPO神戸平和研究所(杣浩二理事長)が主催する「世界平和 祈りの幕開け」の第9回が神戸ポートピアホテルで開催され、世界の伝統宗教や新宗教の代表や各国大使など約300人が参加した。
第一部の開会挨拶で杣理事長は「6月にイスラエルの死海で禊をし、サウジアラビアではシナイ山で神楽を奉納し、10月にはポルトガルとスペインで神楽を奉納するなど研究所の活動は世界的につながりつつある。研究は、これまで古代ユダヤと日本との関係が主なテーマだったが、最近、古代に環太平洋、インド洋を舟で移動していた人たちは古代ポリネシア人ではなく日本の縄文人ではないかという研究が現れ、テーマが縄文時代に移りつつある」と語った。
続いて、ルワンダの首都キガリと神戸市が協力関係にあることから、ムカシネ・マリー・クレール駐日ルワンダ大使の挨拶があり、メインスピーチでは日本宗教連盟理事、教派神道連合会理事長で神道扶桑教管長の宍野史生(ふみお)氏が次のように述べた。
「人類史は戦争の歴史で、原因は富や産物を独り占めしたいという人の飽くなき欲望に尽きる。これからの100年はどうか。私たちは今、再生可能エネルギーの転換に向かい、日本は最先端の技術開発に邁進し、国産が可能な薄型太陽光発電パネルは2030年をめどに開発が進められ、藻類によるバイオマス発電も実証段階に進んでいる。太陽、風、波、地熱は地球上のどこにでも存在し、独り占めするのは不可能なので、戦争の最大原因はなくなる。
さらに概念の変容が始まりつつあり、中央集権的な富の概念はブロックチェーンの普及で、近い将来、分散型に変化する。これらがインフラになった世界では、透明で効率的、不正のない公平な社会が到来するであろう。
そうした社会では個人の自立が求められ、個人が精神的に孤立しないために心の結び合いが必須になる。私たちは互いに垣根を下げ、人々が信仰や文化、芸術を通し、安心して結び合える世界になるよう力を尽くさねばならない。様々な違いの中から、互いに理解し合うことが最も求められている。古来ユダヤ文明と日本文明の共通点を検証する杣名誉教授の研究が進み、神々の造られた作品の全容が明らかになることを期待する。
神道扶桑教は富士山が根本道場で、富士山の登山道は五つあるが、頂上は一つ。平和を祈る信仰者の姿はそれぞれ違っても、地球の生きとし生けるものの幸せを願う祈りは同一で、心は一つ、みんな仲良しを合言葉に歩んでいきたい」
次いで、ヘブライ大学前人文学部長のニシム・オトマズギン教授が、アラブ人とユダヤ人が共に学ぶ学校教育の経験から、「教育こそ平和を可能にする最も強力なツールと感じる」とゲストスピーチし、ヒーローズ太鼓チームによる勇ましい太鼓の演奏があった。
メインプログラム「平和の祈り」では、神道、大本、仏教、天理教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の各聖職者がそれぞれの伝統に従って祈りを捧げ、参加者全員で世界平和を願う祈りのひとときを過ごした。
第二部では、研究所顧問の加藤隆久生田神社名誉宮司の乾杯で会食が始まり、表博耀理事がポルトガルとスペインでの公演を報告。次いで、マウロ・イウラート氏のバイオリンと佐野まり子氏のピアノによる音楽があり、大阪・関西万博の大屋根リングの活用や、剣山に平和のモニュメントを建立する計画などが発表され、300人を超える参加者が国籍や宗教を超えて交流を深めていた。「祈りの幕開け」は来年も11月11日に開催される。


