伊勢山皇大神宮の例祭/神奈川県横浜市
横浜の街を彩る伝統の祭り

横浜の総鎮守、神奈川県横浜市の伊勢山皇大神宮(阿久津裕司宮司)で5月15日、例祭が斎行された。当日は神社関係者、氏子崇敬者ら約200名が参列し、約50名が観覧する中、盛大に執り行われた。また、同日正午からは記念館ロビーで献花が行われ、23日には令和3年以来5年ぶりとなる神輿渡御が行われ、大人神輿と子ども神輿の2基が同宮からパシフィコ横浜まで練り歩き、沿道を賑わせた。
15日午前10時、初夏を思わせる晴天の下、斎主(阿久津裕司宮司)、献幣使(石川正人神奈川県神社庁長・師岡熊野神社宮司)以下祭員が国旗掲揚塔前から参進、祓い所で修祓の儀が行われ、その後、斎主、献幣使以下15名の祭員が拝殿の所定の座に着いた。

次に斎主一拝の後、御扉を開き、神饌を供し、神社幣を献じた。崇敬会会長(藤木幸二氏)が初穂を献じた後、斎主が祝詞を奏上した。
続いて神社本廳からの幣帛が奉幣され、献幣使が祭詞を奏上した。2人の巫女が、創建150年の佳節を奉祝して創作された神楽「伊勢山の舞」を奉奏。宮司、献幣使が玉串を奉って拝礼し、久邇朝尊(くにあさたか)神宮大宮司代理(中村光孝参事)、責任役員、総代会、来賓、参列者がそれに続いた。本廳幣・神社幣・崇敬会初穂・神饌が撤せられ、斎主は御扉を閉じ、本座に着いた。斎主一拝し、例祭は滞りなく修められた。
阿久津宮司が挨拶し、「今年の例祭では『四神旗(しじんき)』、青龍・朱雀・白虎・玄武という東西南北を守護する神獣を刺繍した旗を新調した。同宮の四神旗は白を基調に金糸と銀糸を用いた珍しいもので、現在ではほとんど失われた『皮着せ』と呼ばれる刺繍技法によって作られている。もはや製作は不可能とも言われていたが、女子美術大学の大崎教授とのご縁を得て、京都・祇園祭の山鉾懸装品の補修・復元・新調を手掛ける樹田紅陽氏に製作を依頼した。今、伝統文化を継承していくことが非常に難しい時代となっているが、この四神旗の製作が伝統文化を後世へ伝える一助となればと考えている」と述べた。
献幣使の石川正人神奈川県神社庁長は、「本日は天候にも恵まれ、心地よい風が吹く中、厳粛に例祭が斎行されたことを誠に喜ばしく思う。横浜のシンボルである伊勢山皇大神宮がますます発展している様子を拝見し、大変有り難く感じている。伊勢神宮の式年遷宮は、天皇陛下の思し召しのもと、様々な行事が進められている。日本の伝統や道統を後世へ受け継いでいくうえで極めて重要な祭典である」と祝辞を述べた。
令和3年に行われた創建150年奉祝大祭で初めて披露された「伊勢山の舞」は、同宮創建100年の折に、奉賛会の総裁であった明治天皇第九皇女の東久邇聡子(ひがしくにとしこ)様が寄せられたお歌に、元宮内庁式部職楽部主席楽長の池邊五郎氏が作曲と作舞を行ったもの。舞を奉奏した巫女の装束は、同宮の再興と発展の立役者である池田正宏前宮司より奉納されたもので、水色と桃色の鮮やかな舞装束の意匠は、伊勢山の桜と横浜の海を表し、舞の手振りは横浜港に出入りする船舶をモチーフとしており、横浜の繁栄と活力を表現している。


