神道禊教 春季合同祖霊祭/東京都中央区
先祖の伝え遺してくれた道

春分の日の3月20日に東京都中央区の神道禊教東京本部教務庁(坂田安弘教主管長)で、春季合同祖霊祭が斎行された。この合同祖霊祭は東京本部において斎主、上級神職により執り行われ、本部での参列とともに、全国の門中(信徒)に対してはインターネットで配信され、報恩感謝の祈りを捧げた。
合同祖霊祭は春分の日(春季)と秋分の日(秋季)に行われ、新しい御霊(物故者)を本部の祖霊殿に祀る神道禊教の伝統の祭典。同時に、それぞれの分院祖霊殿にも御分霊が鎮まり、新御霊の遺族には家族の繁栄を祈願する約束の証として合祀証が伝達される。今回の春季合同祖霊祭では、3月1日午後6時に御扉を開き、神道禊教に傳継される秘事秘伝の祝詞と所作をもって、新御霊が祖霊殿に祖霊本津御霊として合祀された。
午後1時、報鼓の音が響き春季合同祖霊祭が開式。斎主・坂田安弘教主管長と祭員が祭典を奉仕した。鎮魂、禊祓詞および三種祓詞の唱和、修祓の儀、斎主及び祭員が神前に拝礼した。続いて献饌の儀、斎主が祝詞を奏上。真摯な祈りを神前、先祖の御霊に捧げた。続いて教主が詠んだ祖霊祭みちうた「祈る度有り難さにぞなみだする神と御祖(みおや)のつきぬ御恵み」「神と祖(おや)ありてこの世に生(あ)れ出でむ我が身と知りて忘れなそ法(のり)」を奉唱。斎主が玉串を奉って拝礼。撤饌の儀、斎主拝礼。神道禊教門中誓詞(三条教憲、門中心得、宇氣比碁登)を奉唱し、報鼓。春季合同祖霊祭は滞りなく厳修された。その後、参列新霊遺族に対して合祀証が坂田教主より伝達された。
坂田安弘教主管長が御教えのお取次ぎ(講話)をした。内容は次の通り。
私たちのご先祖様は、神を敬い先祖の神霊を崇め祀り、共に幸せを祈りあい暮らす「敬神崇祖」という生き方を伝え遺して下さった。これが日本の國風、日本の宗教だ。それゆえ、我が国の宗教である神道のこと、そして受け継いだ宗旨「神道禊教」のことを知る必要がある。
本教は既に立教から二百年近くが経ち、五代目、六代目の信仰の方も居られ、布教活動の成果によって初代の信仰の方も居られる。本教の御教えは、天照大御神の傳へ給へる皇國の御教えで、天照大御神が天の岩戸の中で修された御行を伝えている。白川伯王家より傳継された十種神寶御法という、数多ある宗教の中で唯一無二の尊い至上の修行の道、「まことの人」となる道である。
御教祖神(井上正鐵翁)は『神道唯一問答書』書継「信心得道」で、日本人は神の子孫であり、故に身罷れば再び高天原の神の世界へと帰るということをお諭し下さっている。しかし、何もせずにただ高天原の神の世界へと帰ることができるわけではない。あの世で生まれ永遠に生きていく為に必要なこと、修めなければならないことがあり、それをこの世に生きているうちにできるのが本教の修行である。
「十種神寶御法」には、沖津鏡から品物之比礼まで、それぞれ意味がある十種の神宝があり、魂や生命に関わる霊力を象徴する。「十種神宝の祝詞」を唱えると、死者さえも蘇らせる神道の一大神秘と言われ、見ることも語ることも許されない秘事秘伝の神秘とされている。その神寶の霊威を一つ一つ階段を上るが如く学び行ける道が、本教に傳継された修行である。
明治期に劇聖と言われた九代目市川團十郎(同教教導職でもあった)が「萬世薫梅田神垣」という御教祖神の一代記を歌舞伎で演じられた。その舞台は、開祖坂田鐵安大人の「奥があるのですよ。さあさあ、奥へまいりましょう」と門中の手を引いていく場面で最後の幕
が閉じる。その「奥」へと皆様も進んでいただきたい。ご先祖様方の御心を学び、自らのものとして更に育てていきましょう。
最後に門中との交流の中で、坂田教主は奉納した春のみちうたを披露した。
「ほころびし 蕾を愛でや 御祖たち やがて咲き満つ 時を待ちつつ」


