知恵の霊
2024年10月10日付 816号
「わたしは祈った。すると悟りが与えられ、願うと、知恵の霊が訪れた。わたしは知恵を王笏(おうしゃく)や王座よりも尊び、知恵に比べれば、富も無に等しいと思った。どんな宝石も知恵にまさるとは思わなかった。知恵の前では金も砂粒にすぎず、知恵と比べれば銀も泥に等しい。わたしは健康や容姿の美しさ以上に知恵を愛し、光よりも知恵を選んだ。知恵の輝きは消えることがないからだ。知恵と共にすべての善が、わたしを訪れた。知恵の手の中には量り難い富がある。」(知恵の書7:7─11)
「知恵の書」は、カトリック教会と正教会では旧約聖書の正典に納められているが、プロテスタント諸教派はこれを正典から除いた。ユダヤ教では外典として扱われるからだ。イスラエル民族を導く知恵を擬人化して描いている。その知恵は、人々の祈りと嘆願によって与えられるものだという。
多くの困難な歴史を経てようやく「約束の地」に定着し、国を復興する時の近づくにつれ、知恵なる存在が近くにあることを感じさせる。それは来るべき主の姿と重なってくる。