苦難を乗り越える
2024年9月10日付 815号
「心おののく人々に言え。『雄々しくあれ、恐れるな。見よ、あなたたちの神を。敵を打ち、悪に報いる神が来られる。神は来て、あなたたちを救われる。』そのとき、見えない人の目が開き、聞こえない人の耳が開く。そのとき歩けなかった人が鹿のように躍り上がる。口の利けなかった人が喜び歌う。荒れ野に水が湧きいで、荒れ地に川が流れる。熱した砂地は湖となり、乾いた地は水の湧くところとなる」(イザヤ35:4―7a)
聖書に記された選民イスラエルの歴史は苦難に満ちたものだった。創造主なる神と共に生きることを選択した故に、他人には理解できない険しい道を歩んだ。時に、神の意向から外れると涙の悔い改めを通して軌道修正していった。ユダヤ教を母体として生まれてきたキリスト教の歴史もまた同様に、多くの犠牲が払われた。
それでも、彼らが長き歴史を生き伸びたのは、託された神の願いに対する使命感を抱き、希望を失わず、日常生活の中で計り知れない神の愛を感じ取ることができたからだろう。