聖徳太子象富士登山
2024年8月10日付 814号
天地子には13回目の聖徳太子像富士登山。同行の先達にならい、安全な坂道は時折、後ろ向きで登ってみた。すると、雲海のはるか向こうに八ヶ岳が見え、雲の切れ間からは河口湖も姿を見せる。使う足の筋肉も違うのでいい気分転換になった。
「六根清浄」を唱えながら登った修験者たちも、晴れた日には相模湾も見渡せる雄大な景色に、まさに梵我一如の境地を味わったのではないか。修行は苦しいものとは限らず、楽しさがあるから続けられる。その一端が分かったようでうれしかった。
如来寺に帰ってホテルの温泉へ。ぬるめの湯に浸りながら、夕空に映える富士山を満喫。いい旅だった。
同夜9時前の夜行バスで富士山駅を発ち、4日5時半に京都駅へ。地下鉄で鞍馬口まで行き、少し北の紫明通を堀川通まで歩き、紫式部の墓参り。隣には小野篁の墓があった。
仏教で禁じられている作り話や、人々に劣情を催させるような男女の性愛の話を書いたため、閻魔様に地獄に落とされた式部を、夜は地獄で働いていた篁は閻魔に頼んで助け出し、自分の墓の隣に埋葬したという。他説では、地獄に落ちた式部を哀れむ読者が、篁に助けてもらおうと、彼の墓を式部の墓の隣に移したともある。そんな史跡が広い通りに面してあるのも京都の面白さ。
それにしても下界は暑い。稲刈りも例年より早まりそうで、多汗の日々が待っている。