信仰と内心の自由を守る

2022年11月10日付 793号

 「また、七人の兄弟が母親と共に捕らえられ、鞭や革ひもで責め苦を受け、律法に反して豚肉を食するように王から強いられることとなった。彼らの一人が弁明して言った。『あなたは何を尋ね、我々から聞き出そうとしているのか。我々は、父祖の律法に違反するぐらいなら死ぬ覚悟がある。』…続いて彼らは、第五の者を連れて来て責め苦に遭わせた。すると彼は王の方を見て言った。『お前は朽ちる者であって、人々の間では権威を持ち、好き放題のことをしている。しかし、わが民族が神から見捨てられたなどと思うな。』…この母親はまことに驚くべき者、記憶に値する者であり、彼女は一日のうちに一度に七人の息子が死んでいくのを目の当たりにしながら、主への希望のゆえに気丈に耐えていた。」(マカバイ記二7:1─2、15─16、20)


 マカバイ記にはヘレニズム文化の中で迫害にあうユダヤ人一家の物語が記されている。神への信仰と内心の自由を守るために生命を賭けた先人の記憶をここに留め、後の世の教訓としている。時に生命よりも大切なものがあることを示している。