敵を愛し、迫害する者のために祈る

2022年5月10日付 787号

  「イエスは言われた。『今や、人の子は栄光を受けた。神も人の子によって栄光をお受けになった。神が人の子によって栄光をお受けになったのであれば、神も御自身によって人の子に栄光をお与えになる。しかも、すぐにお与えになる。…あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。』」(ヨハネ13:31─32、34─35)
 ヨハネの福音書によれば、イエスは最後の晩餐の時、十字架の死を目前にして弟子たちのために祈り、遺言を残している。この時は師のことばを何も理解できずに裏切った弟子たちだが、十字架上の師の姿を見て深く悔い改めた。イエスの復活の後、許された彼らは師のことばどおりに生きようとした。それがキリスト教の伝統の原点「敵を愛し、迫害する者のために祈る」こと。祈りに基づく兄弟愛の実践が、今の世に息づいているのかどうかが問われている。