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[2019年5月10日号 1面記事(1)]

新しい憲法を制定する推進大会/憲政記念館

令和の時代に憲法改正を

憲政記念館

 4月23日、東京都千代田区の憲政記念館で新憲法制定議員同盟主催(中曽根康弘会長)の「新しい憲法を制定する推進大会〜『自立と共生』にむけて〜」が開催され、約1200人が参加し、立ち見が出るほど盛況だった。葛城奈海氏と八木秀次氏の講演に続いて各党・団体代表がそれぞれ憲法改正への考えを語った。

 第1部は柳本卓治事務局長の司会で始まり、最初にジャーナリストの葛城奈海氏が次のように講演した。
 「初代神武天皇が橿原に都を定めたときに、建国の詔を発せられた。そこに『天の下を覆いて家となさん』との言葉がある。天の下に一つの家族のような国をつくりましょうという意味で、田中智学により『八紘一宇』として広められた。その本来の意味は『世界は一家、人類は皆兄弟』という素敵な理念だ。また、日本書紀には『一』の文字はなく『宇(いえ)と為さん』と書いてある。それに従えば『八紘為宇』だ。この建国理念を日本は受け継いできたからこそ、統治国の人々と兄弟のような素敵な関係を築いてきた。それゆえ世界各地に親日的な国がある。第一次大戦後、パリ講和会議の後に、人種差別の撤廃を初めて訴えたのも日本だった。建国理念である『八紘為宇』の理想に立ち返り、大和魂を受け継ぐ憲法改正であってこそ、日本を取り戻す、我々の目指す道となる」
 続いて麗澤大学教授の八木秀次氏による記念講演が「憲法改正がなぜ必要か」という題で行われた。
 「GHQ民生局次長のチャールズ・ケーディスが後のインタビューで、日本を永久に非武装にしておくことが最大の目的だった、と証言している。日本の敗戦後に戦勝国がつくったポツダム体制では、日本は連合国共通の敵として扱われた。憲法9条2項の戦力不保持、交戦権否認は日本を永久に非武装のままにすることを条文化したものだ。しかしポツダム体制はまもなく終焉する。1950年6月25日に朝鮮戦争が勃発し、朝鮮半島が一時的に共産化されたため、米軍が国連軍の名のもとに戦った。それに伴い日本の占領政策も、懲罰的武装解除から共産主義への防波堤にするための再軍備へと舵をきった。GHQ自ら、日本の再軍備を命じ、50年にはマッカーサー指令により7万5千名の警察予備隊が創設され、海上保安隊の8千名増員を許可した。51年に日本はサンフランシスコ講和条約と日米安保条約を締結し、日米は同盟国となった。
 自衛隊明記の憲法改正案について護憲派は、自衛隊は既に合憲なので明記の必要はないという。しかし、明記され憲法上の存在となることで、自衛隊廃止には憲法改正が必要となり、法的根拠が格段に強固になる。今、自衛隊の根拠は自衛隊法と防衛庁設置法で、衆参の過半数で廃止できる」
 次いで、雅楽師の東儀秀樹氏が叙情歌「だれもいない海が泣いている」「浜辺の歌」「ふるさと」を演奏。第2部の式典では、愛知和男幹事長が開会宣言し、国歌演奏の後、中曽根康弘会長のメッセージを島村宜伸元農林水産大臣が代読した。
 「明治憲法と現行憲法の果たした役割を正当に評価しつつ、新たな時代展望に立ち、日本国民の手による日本国民のための憲法を制定すべき時だ。日本民族の歴史・文化・伝統を普遍的価値に据え、時代感覚を備え、将来立派だと言ってもらえる憲法をつくることが必要だ」
 次いで、欧米訪問中の安倍首相のメッセージを平沢勝栄衆議院議員が代読した。「憲法改正は立党以来の党是であり、改憲四項目をとりまとめ、運動方針としても、憲法改正への道筋をつける覚悟だ。皇太子殿下がご即位、新しい令和の時代がスタートする。どのような国づくりをするか、未来像に関して真正面から議論すべき時だ」。
 各党代表の挨拶で、自民党の下村博文憲法改正推進本部長(写真)は「今こそ日本は本当の民主主義国家、国民主権、法治国家として、国民の皆さんと共に憲法改正のうねりを作る時だと思う。自衛隊は国民の9割が合憲だと言うが、憲法学者には違憲論者が多い。これに終止符を打つため、9条2項に自衛隊を明記する。次に自民党案では自然災害に限定し緊急事態条項を提案している。3番目は合区解消で、各県民の声を反映できるようにしたい。4番目は教育の充実で、すべての子供にチャンスを与える。よりよい憲法を目指す流れを令和の時代につくり、早期に実現できるよう努力したい」と強調した。
 公明党の魚住裕一郎参議院会長は「公明党は加憲の立場で、地球環境、地方自治、緊急事態など加えるべき価値があれば加えようという考えだ」と、日本維新の会の石井苗子女性局長は「維新の会は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設定の三項目の条文を確定した。国民の主権者意識を高め、民主主義を進めるうえでも憲法議論を実現しよう」と訴えた。希望の党の松沢成文代表は「党の理念が憲法改正で、国家の存亡にかかわる安全保障について憲法に何も書かれていない。9条の2項は削除し、新しい人権、地方分権について明記すべきだ」と強調した。


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