パウロの遺言

2022年10月10日付 792号

  「わたしは、選ばれた人々のために、 あらゆることを耐え忍んでいます。彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです。 次の言葉は真実です。『わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きるようになる。耐え忍ぶなら、キリストと共に支配するようになる。キリストを否むなら、キリストもわたしたちを否まれる。わたしたちが誠実でなくても、キリストは常に真実であられる。キリストは御自身を否むことができないからである。』」(Ⅱテモテ2:10─13)

 イエス・キリストとの出会いによって迫害者から使徒となったパウロは、後半生を福音宣教に生涯を捧げてきた。人生の終わりが迫ってきたとき、愛弟子に励ましの言葉を送っている。迫害の下にあっても忍耐し、真の師であるイエスの生涯を常に思い起こし、その歩みと共に生きるよう勧めている。ある時から、パウロ自身が、イエス・キリストこそ創造主との絆を取り戻した真の人であり、神の愛の体現者であり、人類の模範だと受け止めてきたからだ。