建国記念の日奉祝中央式典/神社本庁

神武建国の心で国難克服を

主催者挨拶をする大原康男会長

 令和3年、皇紀2681年の「建国記念の日奉祝中央式典」(主催=日本の建国を祝う会、会長=大原康男氏)が2月11日、東京都渋谷区の神社本庁大講堂で開催された。新型コロナウイルス感染防止対策のため主催者、関係者だけの約100名が参加した。
 網谷道弘副会長は開会の辞で「家族のような平和な国づくりが我が国の建国理想の大御心。私たちはそれをしっかり受け継がなければならない」と述べ、続いて橿原神宮遥拝、国歌斉唱の後、主催者を代表して大原康男会長が挨拶した。
 「明治維新に始まる近代日本国家の建設は、王政復古の大号令に『諸事神武創業ノ始ニ原キ』とあるように、まさしく第2の神武建国だった。明治6年に太陽暦の2月11日が紀元節として定められ、学校や官庁をはじめ全国各地で奉祝式典が行われてきたが、第二次世界大戦の敗北後、GHQにより廃止された。しかし、昭和41年に祝日法が改正され『建国記念の日』として復活した。いずれの国も建国の日を最大の祝日としている。全国各地で民間が熱心に奉祝式典を行ってきたが、国からは冷ややかに扱われてきた。平成24年の衆議院選挙時に自民党が選挙公約で『政府主催で建国記念の日を祝う記念祝典を開催する』と掲げ、安倍前首相は国民に向けてメッセージを送った。この公約は安倍政権に一貫したもので、それを継承した菅義偉現首相にとっても軽視されないものだ。新型コロナウイルスが人類のあらゆる領域に重大な影響を与え、祖国日本にとっても国難のこの時に、幾多の艱難を熱意と努力によって凌いできた輝かしい歴史を思い起こしたい」
 井上信治・国際博覧会担当大臣は「私は今まで政府主催による祝祭の開催を訴えてきた。菅内閣の一員として皆様の思いを受け止めたい。日本国民が力を合わせれば、コロナ禍の逆境も必ず克服できるものと信じている」と祝辞を述べ、自由民主党幹事長代理・柴山昌彦衆議院議員は「天皇・皇后両陛下は、新年のビデオメッセージで感染症や自然災害で厳しい状態にある国民の身の上を気遣われ、互いに思いやりを持ち支え合うよう語りかけられた。国民に寄り添う温かい両陛下の御心に尊崇と敬愛の念を感じてやまない。菅総理が目指す、脱炭素社会とデジタル社会の実現は新たな成長の原動力だ。少子化問題の解決、不妊治療の保険適用、待機児童の解決、国土強靭化に向けて強い覚悟を持って臨む。東京オリンピック・パラリンピックを通じ、あまたの災害から立ち直り、多様な文化と美しい伝統が息づく日本を発信していこう。憲法改正は引き続き全国で国民世論の喚起に取り組みたい」と語った。日本維新の会女性局長の石井苗子参議院議員は「憲法は変化に合わせ改正されるべきものだが、我が国の現行憲法は公布以来75年もの間、一言一句の改正も国民投票も行われていない。日本維新の会は憲法審査会をリードしていくことを約束する」と党の姿勢を強調した。
 その後、菅義偉首相のメッセージが読み上げられ、登壇者の紹介と祝電の披露が行われた。成蹊大学3年の真家廉氏が決議を朗読し、満場の拍手で決議が採択された。紀元節の歌の斉唱。田久保忠衛日本会議会長による聖寿万歳の後、今林賢郁理事が閉会の辞を述べた。「明治の先輩たちの英知と努力によって国の独立が維持され、今の私たちがある。今日は大日本帝国憲法が公布され、神武天皇が橿原で即位された日だ。道義あるものとは交わり、道義なきものは打ち払うという気概で務めを果たし、次世代にこの国を繋げたい」