天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典

両陛下に心からの感謝捧げる/皇居前広場

天皇陛下に万歳三唱をする参列者=11月9日、東京都千代田区の皇居前広場

 11月9日、二重橋前特設会場と皇居前広場で、天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典が天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟(伊吹文明会長)、天皇陛下御即位奉祝委員会(三村明夫会長)と日本文化交流財団(田中恆清理事長)の主催により開催され、第1部の奉祝まつりに3万人、第2部の祝賀式典に3万人の計6万人が陛下の御即位を奉祝した。
 奉祝まつりでは、警視庁音楽隊の演奏の後、午後1時25分に開会が宣言され、天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟事務局長の木原稔衆議院議員が主催者挨拶、「天皇陛下は即位の礼正殿の儀に際して『国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら』と述べられ、日本国および日本国民統合の象徴としての務めを果たすことを誓われた。東日本大震災などの被災者に思いを寄せられ、社会的弱者や高齢者を温かく見守られ、国際親善にも力を尽くされた。国民は天皇陛下への心からの感謝と、皇室をいただく日本に生きることのありがたさを思わずにはいられない」と述べた。
 運営委員長である久保田政一経団連事務総長の挨拶の後に、各界を代表して、木原稔衆議院議員、久保田政一経団連事務総長、俳優の藤岡弘、陸上の桐生祥秀、アーティスティックスイミングの乾友紀子、女子体操の村上茉愛、フィギュアスケートの紀平梨花らがテープカット。祝賀パレードは、警視庁音楽隊を先頭に17団体が行進。奉祝神輿渡御も繰り出し、約30団体の神輿、山車、太鼓、踊りが練り歩いた。
 祝賀式典では、古屋圭司同議連幹事長が開会宣言。陸海空自衛隊合同音楽隊が開会ファンファーレを演奏し、女優の芦田愛菜氏、歌舞伎役者の松本白鸚氏、経団連の御手洗冨士夫名誉会長、山下泰裕JOC会長が祝辞。天皇陛下の水問題の研究の映像が上映され、鬼太鼓座による奉祝演奏、九世野村万蔵による大田楽が奉奏された後、陸海空合同音楽隊によるお迎えの音楽が鳴り響く中、天皇皇后両陛下がお出まし。主催者代表の三村明夫同奉祝委員会会長の式辞に続いて、安倍晋三内閣総理大臣が次のように祝辞を述べた
 「即位礼正殿の儀では、上皇陛下の30年以上の歩みに思いを致され、国民の幸せと世界平和を願い、国民に寄り添うお気持ちを伺った。新しい令和の時代、私たちは天皇陛下のお気持ちをしっかりと胸に刻み、平和で希望に満ち溢れる時代をつくりたい」
 次にオーケストラの演奏、ピアノソロ(辻井伸行氏)とともに歌手の嵐が奉祝曲・組曲「Ray of Water」(岡田惠和作詞、菅野よう子作曲)を熱唱。森谷真理氏による「君が代」独唱に続く参加者の国歌斉唱の後、天皇陛下がお言葉を述べられた。
 「さきに即位礼正殿の儀を行い、即位を内外に宣明しました。そして、きょう、ここに集まられた皆さんからお祝いいただくことに感謝します。即位から約半年、多くの方々から寄せられる気持ちをうれしく思いながら過ごしています。この間、さまざまな機会に国民の皆さんと直接接し、皆さんの幸せを願う思いを私たち二人で新たにしてきました。
 その中にあって、先月の台風19号をはじめ最近の大雨などによる大きな被害に、深く心を痛めています。亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族、被災された方々にお見舞いを申し上げます。寒さがつのる中、避難を余儀なくされ、生活再建が容易でない方が数多くおられることを案じています。復旧が進み、被災された方々が安心できる生活が、一日も早く戻ることを心から願っています。
 ここに、改めて国民の幸せを祈るとともに、わが国の一層の発展と世界の平和を願います。きょうは、寒い中にもかかわらずこのように大勢の皆さんが集まり、即位をお祝いいただくことに深く感謝いたします」
 最後に伊吹議連会長の聖寿万歳に合わせ、全員が万歳三唱をする中、両陛下が退出。鬼太鼓座による「令しの一打」、陸海空自衛隊合同音楽隊による「お江戸日本橋」などが演奏され、閉会した。