第54回教誨師中央修練会/東京都

宗教の力が人を変える

挨拶する舎奈田経夫全国教誨師連盟理事長

 東京都千代田区の法務省庁舎地下棟大会議室で、全国教誨師連盟主催の第54回教誨師中央修練会が9月3日から5日にかけて開催された。
 1日目は開会式及び教誨事業功労者表彰記念式典。同連盟の舎奈田経夫理事長(真言宗豊山派)が挨拶し、大谷光淳同連盟総裁の式辞が代読された。表彰に移り、法務大臣表彰、日本宗教連盟理事長表彰、全国教誨師連盟総裁表彰が行われ、被表彰者を代表し、名古屋拘置所所属教誨師、日蓮宗の加藤通幸氏が謝辞を述べた。
 山下貴司法務大臣は「令和の時代に被収容者が人間性を取り戻し、社会に戻っていけるよう、皆様の一層のご活躍を願っている」と祝辞を述べ、岡本光央日本宗教連盟理事長、藤本哲也矯正協会会長の祝辞に続き、竹岡郁夫同連盟副会長が閉会のことばを述べた。
 研修会では、最初に名執雅子法務省矯正局長が「矯正行政の現状と課題─教誨師に期待すること─」と題し基調講演した。
 「平成15年に開かれた矯正へと大きく転換した。国民に理解され、支えられる刑務所への変革である。平成17年の刑事収容施設法の成立により、矯正施設を透明化し、改善指導を義務化した。平成28年には再犯防止推進法が成立し、再犯率が以前は20%を超えていたものが、今や16・7%になり、16%の当初の目標を達成できるところまできた。刑務官の勤務環境も改善され、高齢、障碍の被収容者には、保護観察所、地域性生活定着センター、福祉関係機関等との連携により、特別調整の福祉的支援をしている。就労支援により、刑務所にいながら出所前に就職が内定するようになった。マーガレット・アクションと名付け、女性活躍推進及び女子刑事施設等の運営改善に関する総合的な政策を打ち出した」
 2日目午前は、「教誨師とは」の表題で、最初に川越少年刑務所の教誨師で真宗大谷派の嵩海史(かさみひろし)氏が講演。「教誨活動を通して私自身が大事なことを学んでいる。人間存在としては平等で、やりなおしのきかぬ人生だが、見直すことはできる」と述べた。次に府中刑務所の教誨師であるカトリックの油谷博之氏が講演し、「道徳的な話しかできないのでは、教誨師が宗教家である必要がないのではというジレンマがある。各施設にはそれぞれ事情があるので、柔軟に対応していきたい」と語った。
 午後は、元法務省矯正局長で全国教誨師連盟理事の梶木壽氏が「教誨師に期待すること」と題し記念講演。「被収容者は良い経験や良い人との出会いが少なかった人たちで、社会環境が悪い場合もある。教誨師に出会って人生を見直し、澄んだ、平穏な心を取り戻すことができる。宗教の力、信仰の力が人間の根本に大きな影響を与える」と語った。
 その後、テーマ「教誨師に願われていること」について、班別の討議が行われた。
 3日目は、班別で討議された内容が発表された。閉会式では、舎奈田理事長から受講者代表の京都刑務所所属・カトリックの小川英子氏に修了証書が授与され、同連盟副理事長の高橋哲氏が閉会の言葉を述べた。

次の記事

救いの計画