田舎暮らしの春

2019年4月10日付 750号

 3月中旬、二つの自治会でお守りしている小さな祠のような地神(ぢじん)さんのお祭りが済むと、田植えに向けて田起こしの始まり。大型のトラクターを導入したので、オペレーター1人の作業で15ヘクタールが2日で終わった。天地子が子供のころの、牛を使っての作業に比べると驚異的な速さ。

 4月中旬からコシヒカリを8ヘクタール植えるので、田んぼごとに堰を修繕する。排水口を数枚重ねた板とビニールで塞ぐ作業で、板は数年で腐るので取り換える。堰がコンクリート製だと簡単だが、畦土のままだと板を受ける杭を打ち込む。杭が腐っていると代えないといけない。これは5人で1日半かかった。

 天地子の朝一番は愛犬との散歩。毎日コースを変え、田んぼの様子を見まわる。3月下旬には小麦が穂を出してきた。うどん用の小麦で、県の試験場と国立大農学部が開発した新品種。昔風の風味があり、オーストラリア産に勝てるとのうたい文句だが、まだ道は険しい。

 先日、酒造会社との懇談会があり、県特産の酒米を増産してほしいとの依頼。ヒノヒカリを数枚減らし、酒米を植えることにする。宣伝にも力を入れるというので、期待したい。

 自治会も役員が交代。4月に2校を統合した小学校が近くに開校することもあり、環境省の補助金を受け、環境整備や美化の活動を、里山クラブを設け、3年計画で実施することになった。忙しくなるが、子供たちの笑顔を見られるのが楽しい。