ILC─Japan 2018開催

諸宗教和合により世界平和を/東京

「水の儀式」で黙祷する宗教者代表

「流動化する世界と平和構築:政治と宗教の役割」をテーマに、「ILC(国際指導者会議)─Japan 2018」が12月11日、東京都内のホテルで開催され、国内外の有識者約250人が参加した。主催はUPF─Japanと首都圏平和大使協議会。
 第1セッションの基調講演に、米国・宗教と外交センター名誉会長のダグラス・ジョンストン博士が登壇。「宗教と外交政策―中東和平への展望」をテーマに講演した。
 ジョンストン博士は「宗教や霊的要素が世界平和にどう貢献してきたかを明らかにする」ことを主題に、米国の外交政策に宗教的知見を取り入れる研究をした立場から、パキスタンのマドラサ(イスラム神学校)で、科学的要素や人権、批判的精神を入れたカリキュラムを実施した事例などを報告。また、サウジアラビアの学校教師を米国に招き、寛容や多元主義、グローバリズムの教育プログラムを紹介する取り組みなどを紹介した。そして、「過激派の人々の心を開放するには信仰を土台とした外交が必要で、突き詰めれば、怨讐を愛するという原則にたどり着く」と述べ、世界平和における宗教の役割を強調した。
 続いて、日本におけるIAPD(平和と開発のための宗教者協議会)の結成式が行われた。IAPDはUPFが世界的に展開するプロジェクトのひとつで、すべての宗教伝統を代表する世界の宗教と精神指導者による協議会。2017年11月、韓国・ソウルで開催されたILCに集った世界の宗教界、学界、NGOなどの指導者の総意で創設された。
 トーマス・ウォルシュUPFインターナショナル議長が、UPFの世界的な活動についてプレゼンテーションした後、神道、仏教、キリスト教、イスラームを代表する宗教指導者10人が登壇。諸宗教がハーモニーを奏でることの大切さを確認してひととき黙祷を捧げ、世界平和を願う諸宗教の統一を象徴する「水の儀式」を行った。宗教指導者らはそれぞれ手にした水をひとつの器に注ぎ、世界平和を願う諸宗教の和合を通して平和世界の建設に貢献することを誓った。